医療法人桜希会 東朋八尾病院

慢性疼痛の根本的治療を目指す、再生医療への取組
様々な痛みに効果がある脂肪組織由来幹細胞療法
近年目覚ましく発展を遂げている医療の一つに、再生医療がある。これまで有効な治療法のなかった疾患の治療にも適応がある再生医療が認可されはじめ、東朋八尾病院でも慢性疼痛に適応がある『脂肪組織由来幹細胞(ASC)療法』を導入した。再生医療を推し進める、院長の奥田先生に詳細をうかがった。「当院で行っているASC療法は、自分の体にある脂肪幹細胞を抽出して培養し、その細胞を点滴投与する治療です。幹細胞には、細胞自身が分化して軟骨や骨などになる能力と、細胞から出る成長因子や抗炎症性のサイトカインによる組織修復を行う能力があり、これらの力によって疼痛をコントロールし、症状を緩和することが期待できます。幹細胞の採取は局所麻酔を用い、おへその下あたりから抽出しますが、その処置は日帰りで実施でき痛みもほとんどありません。採取してから培養するために約6〜8週間必要となりますが、一度採取すれば10回程度治療に使うことができるので、複数回治療を行う場合でも手間はおかけしません。また、自分の血液や脂肪を用いるため、重篤な副作用が発生する心配がないのも大きな特徴です。体に発生する広範囲の痛みを根本的に治したいとお考えの方はご検討ください」。


充実した体制で再生医療を提供
再生医療は基本的に自由診療となるためどうしても費用がかさんでしまうが、その分ゲストの方の満足が得られるように、十分な医療体制を築いているのが東朋八尾病院だ。「ASC療法の効果を高めるためには、投与する脂肪幹細胞の量が重要となってきます。当院では、慢性疼痛の治療に用いる幹細胞は1億個からとなっており、より効果が期待できます。なお、十分な数の細胞を用意するための培養作業はこれまで委託で行っておりましたが、今後は東京にある当院の関連病院のラボで行う予定となっており、よりスムーズな連携と管理が可能になるはずです」と、奥田先生は治療に自信をにじませた。さらに、治療に対するサポートも充実しているという。「当院では、ドクターとナース、理学療法士、コンシェルジュが一体となってゲストの方をサポートしています。再生医療の希望があれば、まずドクターが診察を行い、再生医療が本当に適しているかをチェック。症状によってはMRI検査も行います。再生医
療による効果が見込めれば、より具体的な説明をナースやコンシェルジュが担当。そして治療が終わった後には定期的に診察を行い、理学療法士が介入。30分程度の時間をとってじっくりと運動指導し、日常生活動作についての資料などもお渡しします」。
変形性膝関節症に対する幅広い治療の実施
東朋八尾病院では変形性膝関節症の治療に力を入れており、人工膝関節置換術の件数は増加傾向にある。しかし、手術以外の選択を希望される方も多く、そうした方のために再生医療での治療も提案している。「変形性膝関節症に対しては、前述したASC療法が適応できるほか、『多血小板血しょう(PRP)療法』も選択することが可能です。PRP療法は、自分の血液から抽出した多血小板血しょうを用いる治療で、採血によって治療成分の精製が可能。採血当日に治療を行え、投与後の腫れや疼痛も少ないといったメリットがあります。ASCよりも手軽に治療でき料金もASCより安価なので、ぜひご検討いただければと思います。また、PRPとASC両方を組み合わせた治療も可能で、その場合には相乗効果が期待できます。これらの再生医療は、軟骨が完全にすり減った状態では適応できず、早期の段階で治療をはじめることでより効果が見込めますので、膝に痛みを抱えている方は我慢をせずにご相談いただければと思います」。膝の痛みは多くの方が抱える悩みだが、手術しなくてもいい可能性があることは、人々にとって大きな希望となるだろう。


教えて先生!
再生療法を受ける上で、何か気をつけることはありますか?
再生療法を行ってからしばらく行動制限があります。
具体的にお伝えしますと、階段の昇り降りを控えていただくといったことや、
治療から3か月の間は1日3,000歩から5,000歩くらいに留めていただくといった内容です。
幹細胞が組織を修復するために必要なことなので、ご注意ください。
スタッフからのMessage
ドクター、ナース、コンシェルジュ、理学療法士が一体となってサポートします

再生医療はまだあまり普及していない治療であり、不安に感じる方も多いと思います。当院では、ゲストの方に少しでも不安のない状況で治療を受けていただけるように多職種で連携し、治療前から治療後まで、丁寧なサポートを心がけています。ぜひお気軽にお話しください。