医療法人 寿山会 喜馬病院

地域医療のカタチ

地域とともに歩んだ70年高齢者と地域住民を支えるワンストップの体制づくり

今年で創業70年を迎える喜馬病院。グループ内に医療と介護の機能を持ち合わせ、常に地域のニーズに寄り添った医療提供を行ってきた。そんな同院の強みや地域支援プロジェクトの状況についてお話をうかがった。

将来の医療ニーズに備えて

グループ内で医療と介護を包括的にサポートする体制

団塊の世代が75歳以上となる2025年の医療ニーズに備えて、全国的に推進されている医療と介護の提供体制づくり。その一環として、地域ごとに進められているのが「地域医療構想」と「地域包括ケアシステム」だ。「地域医療構想」とは、急性期から回復期、慢性期まで将来の医療ニーズを予測し、医療機関同士で連携を取りながら必要な医療提供体制を整える取組みのこと。一方「地域包括ケアシステム」は高齢者が要介護状態になったとしても、できる限り住み慣れた地域で日常生活を送れるよう、医療と介護を包括的にサポートする体制のことである。地域のニーズを汲み取った医療と介護の提供を行ってきた喜馬病院では、現在進められている医療と介護の包括的な支援を20年前からグループ内で構築してきた。「当院には急性期病院としての機能のほか、早期の社会復帰を目指す回復リハビリ病棟や地域包括ケア病棟を備えています。在宅医療や在宅介護にも対応しており、在宅が困難な方に向けては4種類の入居型介護施設もご用意しています。地域医療に必要な形態を模索しながら、寿山会グループ内で医療・介護・在宅をワンストップで提供できる体制を構築してきました」。


また内視鏡外科手術や整形外科の手術における専門性の高さも同院の強みの一つ。豊富な実績・経験を持つドクターや最新鋭の設備を揃え、低侵襲な手術に尽力することで患者の在院日数は全国平均と比べても短くなっている。「現状に満足せずさらなるブラッシュアップを図り、先進的な医療提供を目指したい」と話す喜馬理事長。常に地域に目を向けた医療提供体制を敷く同院は、地域住民はもちろん、開業医の先生からの信頼も厚い。

介護付き有料老人ホーム「緑風館(ろくふうかん)」 
サービス付き高齢者向け住宅「リハヴィレッジ若江岩田」
笑活で実施している集団運動の様子。高齢者の心身を支える取組みとして、各種講座やイベントなどを随時開催している

高齢者と地域社会

高齢者の社会的孤立を防ぎ社会とのつながりを作る

「地域包括ケアシステム」の取組みの一つとして、同院では2021年1月に地域支援プロジェクト『笑活(わっか)』をスタートさせた。高齢者の身体的・精神的健康を支える地域コミュニティーで、病院隣接の希来里ビルの2階にて開催している。『笑活』では毎日、集団運動やそれぞれの体力に合わせた個別運動、ダンスやヨガなど楽しみながらできる運動のほか、排泄や感染症などの勉強会など「動く・学ぶ・遊ぶ」をテーマに様々なイベントやプログラムを実施。健康管理としては、定期的な歯科検診や栄養状態の確認なども行っている。最近では参加者の特技を活かして、地域で困っている人を助けるボランティア活動の場も提供しているという。「人は誰でも年を重ねるごとに、様々な喪失感を味わうようになります。職場や社会的立場の喪失や健康の喪失、家族や友人との死別を経験することで、孤独感を強く感じるようになってしまいます。喪失体験による社会的孤立状態を防ぎ、社会とのつながりを持ってもらう場所として誕生したのが『笑活』です。より多くの方に利用いただいて、心身ともに元気なお年寄りを地域に増やしていくことが目標です」。

「高度な医療サービスを提供するために、必要な設備投資は欠かせません」と喜馬理事長。医療従事者や一般の方を対象に講演を行うなど、多方面で活躍している

医療業界のDX化

医療・介護情報を一括管理医療資源を有効活用

ICT(情報通信技術)を駆使して医療サービスの質や患者の利便性の向上、医療の業務効率化にいち早く取組んできた同院。電子カルテはもちろん、「ID-Link(アイディーリンク)」という患者の医療情報を一括管理できるシステムも導入している。「既に患者さんの医療情報に紐づけて、介護情報をリアルタイムで管理していますが、ICTをさらに推奨し限られた医療資源を有効的に活用することで、地域によりよい医療・介護サービスを提供してまいります」。医療業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に先陣を切って取組む同院の動向に注目が高まる。

医療法人 寿山会 喜馬病院

電話番号:072-961-6888

住所:東大阪市岩田町4-2-8

ウェブサイト:https://juzankai.com/

関連記事一覧