医療法人 徳洲会 八尾徳洲会総合病院

心臓血管センターを開設重症救急を積極的に受ける中河内地域の「最後の砦」
長く中河内地域の重症救急を積極的に受け入れ、地域医療に貢献してきた八尾徳洲会総合病院。重症救急におけるキーマンとなる循環器内科部長の松尾先生に、同院の特徴と取組みについてお話をうかがった。
地域医療における役割
圧倒的症例数を誇る循環器内科が躍動
1978年に八尾市久宝寺に開院し、2009年に同市若草町に新築移転した八尾徳洲会総合病院。開院以来、「生命だけは平等だ」との徳洲会理念のもと地域医療に注力し、中河内地域の最後の砦として重症救急も積極的に受け入れている。なかでも圧倒的な症例数を誇るのが循環器内科だ。同科では主に心臓を中心とした大血管疾患の診断・治療を行っている。「当院では経験豊富な医師が行う精度の高いカテーテル手術により、狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患、大動脈解離・大動脈瘤などの大血管疾患、さらには動脈硬化を原因とした抹消血管治療では形成外科と連携して幅広い治療に展開しています」と話すのは、同科部長の松尾先生。これまで数多くの手術をこなし、国内外から手技が認められる血管内治療のエキスパートである。「循環器内科領域は致命的となる疾患が多く、数秒単位で患者様の状態が大きく変化することも珍しくありません。そのため豊富な経験と熟練した技術はもちろん、その技術を最大限に生かすために最新血管撮影装置を導入したカテーテル室を構えるほか、豊富な治療器具を駆使して複雑な病態にも柔軟に対応しています」。年間のカテーテル治療件数は大阪でもトップクラス。そんな卓越した松尾先生の手技を学ぶため、今年4月から新たに4名の若手医師がチームに加わる。「患者様との付き合いは一生続くものであるからこそ、医療の質も普遍的でなければなりません。私の技術全てを後継者に伝承することで、長い将来は若手が各病院の核となるエキスパートとなり、八尾の地域医療だけでなく、全国の地域医療を守ってくれることを期待しています」。



心臓血管センター開設
垣根を超えたチーム連携で最先端の治療を展開
松尾先生は循環器内科部長を務める傍ら、2021年に開設した心臓血管センターの副センター長も務める。「当センターでは循環器内科と心臓血管外科がハートチームとして外科内科の垣根なくタッグを組んでいます。最先端の血管内治療と精緻な外科手術を武器に、致命傷となり得る急性の心臓大血管病など幅広い循環器疾患に対応しています」。センター開設とともに血管内治療と外科治療が同時に施行できるハイブリッド手術室を整備するほか、シーメンス社の『ARTISpheno』という据え置き型のX線透視装置も新たに導入。高精細・高画質なX線透視が可能となるほか、被ばく量の低減も図られることで高精度かつ低侵襲な手術が可能となった。「私が掲げるモットーは“For thepatients”であり、病気ではなく、患者様と向き合うことを大切にしています。ご本人とご家族様が理想とする生き方やご家族のことを含めて、まずはお話し合いをさせていただきます。そして、患者様が目指す目標に向けて両科が常に複雑な病態を見極めながらディスカッションし、昼夜を問わず24時間365日治療を行う覚悟で挑んでいきます」。

今後の展望について
八尾で完結できる医療体制の構築を目指す
強い信念を持ってこれまで数多くの患者を助けてきた松尾先生。今後は循環器内科の人員も増員し、ますます発展が期待されるなか、どんな目標を描くのだろうか。「まずは地域にお住まいの患者様が八尾から遠くの病院へ行かなくても済むように、当院で治療が完結できる体制を整備・強化すること。医療に頂はないため、常に高みを目指し、府外からも支持される医療体制を築いていきたいですね」。真摯に目標を語る松尾先生の情熱は今後も絶えることなく、脈々と後継者に受け継がれていき、未来を照らすに違いない。