医療法人 泰陽会 西岡医院

女性や高齢者の笑顔があふれる地域を目指して
経済的な負担が大きい体外受精が保険適用に
開院より15年、産婦人科専門医として学んできた臨床経験を活かし、地域に密着した医療提供を行ってきた西岡医院。産婦人科の医療制度についてお聞きすると、昨年度不妊治療の保険適用範囲に大きな変化があったという。「高額な医療費が必要だった体外受精が、2022年4月より保険適用となりました。子供を望むご夫婦にとって前向きな改定になり嬉しく感じています。これまで経済的な負担によりためらっていらっしゃった方も、早い段階で体外受精を希望されるようになり、不妊治療に対する患者さんの心のハードルにも変化が出てきています」と西岡先生。同院では、タイミング療法や人工授精といった一般不妊検査や治療に対応しており、体外受精を検討される方には不妊治療専門クリニックへの紹介を実施。また出産においては、妊婦にやさしい安心安全の環境を提供するため、市立東大阪医療センターや恵生会病院、小阪産病院を中心として分娩のセミオープンシステムを組んでいる。セミオープンシステムとは、妊娠検診は通いやすい地域の産婦人科クリニックで行い、分娩は設備が充実している病院で行う仕組みのこと。妊婦の通院による負担軽減もメリットの一つで、それぞれの医療機関の特性を活かした役割分担を行い安心安全のお産へとつなげている。


接種機会を逃した方に向けたキャッチアップ接種を実施
日本において毎年約1万人の女性が罹患し、約2800人が死亡しているという子宮頸がん。患者数、死亡者数ともに増加傾向にあり、年齢層としては50歳未満の若い世代の患者数が増えている。同院では患者数減少を目指して、子宮頸がん予防の啓発活動にも取組んでいる。「2022年4月から2025年3月までの3年間、子宮頸がんワクチンの接種機会を逃した女性はキャッチアップ接種を受けられるようになりました。対象は今年18〜26歳になる女性で、無料で接種を受けることが可能です。対象者にワクチンの接種券が送付されるようになったこともあり、以前よりワクチン接種を検討される方が増えた印象です。しかし世界と比較すると、日本の普及率はまだまだ低いのが現状。今後もワクチンの有用性についてお伝えすることで、普及率アップに貢献していきたいです」。現在日本で無料接種の対象となっているのは、子宮頸がんの主な原因となる2種類のヒトパピローマウイルスに作用する2価または4価のワクチン。2023年4月からは、さらに5つの型に作用する9価ワクチンが無料接種の対象になるという。より幅広く予防できることで、さらなる効果が期待できる。
クリニックの強みを活かして一人ひとりと丁寧に向き合う
同院では産婦人科診療以外に、風邪や生活習慣病、更年期障害といった一般的な内科診療にも対応している。「高齢化が進む地域で特に注意深く診療している疾患として、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症があげられます。これらの疾患は全身に血液を送る血管を傷つけ、最悪の場合脳梗塞や心筋梗塞という命に関わる病気につながることもあります。当院では、投薬治療を中心に対応していますので、体の状態や健診結果で気になる点があれば早めにご相談いただきたいです」。西岡先生は認知症や糖尿病ケアについての勉強会としてこれまで、介護施設での「ティータイム勉強会」や地域住民が集まるシンポジウムを開催するなど、地域住民の健康意識向上のために精力的に活動を行ってきた。また昨年の4月には医師会の副会長へ就任、映画の産婦人科監修を務めるなど、活動の幅をさらに広げている。「大病院よりも些細なことでも気軽に相談しやすい敷居の低さが、当院の強みです。皆さん不安を抱えて来院されると思うので、一人ひとりとお話する時間をしっかり確保し患者さんに深く寄り添う医院であり続けたいです」と診療への想いとともに締めくくった。


教えて先生!
更年期障害の治療やアンチエイジングにはどのような治療法がありますか?
減少している女性ホルモンを注射する補充療法が有効です。
当院では血液促進や基礎代謝の向上といった特徴のあるプラセンタ注射を行っています。
ほかにも栄養剤や自律神経を整える薬の使用といった方法もありますので、気になる方は一緒に相談しながら治療方針を決めていきましょう。
ココもチェック
副作用が気になる方や西洋薬が効きにくい方には漢方薬もご用意しています

当院では症状や希望に合わせて、漢方薬の処方も行っています。漢方薬には即効性があるものと、徐々に体質を変えていくものがあり、更年期障害や月経不順、生理痛といった慢性的な疾患の症状緩和に有効です。副作用が気になる方や西洋薬が効きにくい体質の方にもおすすめしています。