医療法人桜希会 東朋八尾病院

小間 勝 透析センター長

【プロフィール】AB型/乙女座/日本透析医学会透析専門医、日本外科学会外科専門医・指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医
【趣 味】ツーリングが趣味で、愛用のBMWのバイクに乗ってよく出かけています
【休日の過ごし方】日帰りで和歌山へツーリングに行くことが多いです。紀伊半島の周辺をのんびりと走っています。あとは週3回ほど筋トレを行っています。ベンチプレスは最大で135キロまで持ち上げることができるようになりました

仕事や家事が忙しい方に向けた寝ている間の人工透析

 人工透析は通常4~5時間程度の時間を必要とし、それを概ね週に3回行わなければならない。これを起きている間に行おうとすると、どうしても生活に制限が発生してしまう。そのため東朋八尾病院は、仕事や家事が忙しいという方が時間を有意義に使えるよう、『オーバーナイト透析』を開始した。同院で行うオーバーナイト透析は22時10分から開始し、23時30分頃に消灯。朝6時の起床とともに透析を終了するため、日中に活用できる時間が増える。同院の透析センター長である小間先生は透析についてこう語る。「透析中のバイタル測定は原則として透析開始前と終了後に行うため、途中で起こされることはありません。透析時間は通常よりも長い7~8時間となりますが、寝ている間に終了しますので、体感時間は短く感じられる方が多いです。オーバーナイト透析は東大阪ではまだまだ実施している施設が少なく、大阪市内など少し離れた場所にあることが多いです。距離が離れていると時間的な余裕がなく、仕事や学業が終わってすぐ医療機関に向かう必要が出てきますが、家から近ければ一度家に帰ってご飯を食べて、家族と団らんしてから透析を受けに行くことも可能になります。八尾にお住まいの方は、ぜひご活用いただければと思います」。

東朋八尾病院には駐車場が用意されており、車でオーバーナイト透析に来院し、そのまま職場へ向かうことも可能
オーバーナイト透析で使用するベッドと透析装置。寝ながら見られるテレビも設置されている

オーバーナイト透析の医療的メリット

 オーバーナイト透析は、日中の時間を有効に活用できるだけでなく、医療的にも様々なメリットがある。小間先生に詳細をうかがった。「透析を必要としている患者さんは、身体に溜まった不要な水分を尿として体外に排出することができません。その不要な水分を透析によって除去することを除水といいます。除水を短時間でたくさん行うと、血圧が急激に下がったり心臓に負担がかかったりするため大変危険です。その点、オーバーナイト透析は7~8時間かけてゆっくり除水を行いますので、不要な水分がたくさん溜まっていたとしても、身体にかかる負担を抑えることができます。また、食事制限をなくすことはできませんが、4~5時間の日中透析と比べてしっかりと透析を行えるため、通常よりも制限を緩やかにすることができます。食事の幅が広がることで仕事や家事、学業への意欲も湧き、肉体的にも精神的にも良い効果が期待できると思います。さらに、血圧や電解質の調整が改善することにより、内服薬を減らすことも期待できます」。オーバーナイト透析の適応条件は複数あり、介助を利用せず自力で通院ができる方や、心臓機能の低下や循環器系の重篤な疾患がない方などに限られるが、適応がある方が受けられるメリットは非常に大きいと言えるだろう。

人工透析センターの様子。清潔感のある広々とした空間で、ゆったりと透析を受けられる
通常の透析を行う場合のタイムスケジュールと、オーバーナイト透析のタイムスケジュールの比較。オーバーナイト透析は通常より3~4時間透析時間が長いが、仕事や団らんの時間をより多く作ることができる

東朋八尾病院が行う透析の安全対策

 睡眠中に透析を行う場合、日中とは異なる安全対策が必要となってくる。「オーバーナイト透析では、睡眠を優先するため頻繁に血圧を測定しません。そのため当院では血流量モニターを4台導入しています。このモニターがあれば、循環血流量変化率を測定できるため、急な血圧低下を未然に防ぐことができます。また、患者さんの意識がない中で透析を行うため、針が抜けないようにする必要も出てきます。まだ導入途中ですが、密着性の高いフィルムとスキントラブルに配慮したテープを使用し、最適な固定が行えるよう配慮しています」と、小間先生は対策について語った。さらに、スタッフに関しても徹底した体制を整えているという。「当院では臨床工学技士と看護師が透析にあたるのですが、オーバーナイト透析の知識
身体に無理なく、時間を有効に活用できるオーバーナイト透析
が豊富な者が数名勤務しており、オーバーナイト透析の経験がない者に関しても、5年以上の勤務経験がある者ばかりですので、臨機応変な対応が可能だと考えています。もし容態の変化があった場合も当院は総合病院ですので、すぐに幅広い検査や治療を行えます。ぜひ安心してオーバーナイト透析をご検討いただければと思います」。

教えて先生!

再生療法を受ける上で、何か気をつけることはありますか?

再生療法を行ってからしばらく行動制限があります。
具体的にお伝えしますと、階段の昇り降りを控えていただくといったことや、
治療から3か月の間は1日3,000歩から5,000歩くらいに留めていただくといった内容です。
幹細胞が組織を修復するために必要なことなので、ご注意ください。

日中の透析に時間を割かれて思うように仕事ができない方など、お気軽にお尋ねください

透析はずっと続けていく必要がある治療ですので、日中の透析で仕事や学業などに不都合が発生している場合は、オーバーナイトをご検討いただければと思います。すでに他院さまで透析を受けられている方は、主治医の方にご相談いただくか、当院にお問い合わせください

医療法人桜希会 東朋八尾病院

電話番号::072-924-0281

住所:八尾市北本町2-10-54

ウェブサイト:https://www.oukikai.or.jp/toho_yao/

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