社会医療法人医真会 医真会八尾総合病院

進化を続ける内視鏡を導入しあらゆる消化器疾患の早期発見と治療に努める
総合病院として多数の診療科を有する医真会八尾総合病院。近年は高性能な内視鏡を導入することで、地域住民に忍び寄る消化器疾患に対応している。消化器センター内科の4人の先生に、同院の強みや取組みについて話をうかがった。
内視鏡の進化
従来より負担の少ない検査と治療が可能に
昭和63年に開院した医真会八尾総合病院は、中河内医療圏における急性期医療を担い、24時間体制で救急搬送や時間外受診に対応している。総合病院として多岐にわたる診療科を有し、長らく地域医療に貢献してきた同院だが、近年は内視鏡分野の技術進歩が目覚ましい消化器センター内科が存在感を強めている。「腹痛や食欲不振、便秘、体調不良などを訴えて来院される患者さんに対して、血液検査・レントゲン・CT・内視鏡などを用いた検査で正しい診断をつけ、治療に移行します。胃潰瘍や胃腸炎などの日常的な疾患から、消化管がん、炎症性腸疾患、慢性肝炎などの特殊な消化器疾患まで幅広く対応可能です」と高木先生。正確な検査と高度な治療を支えているのが、同院が最新の機器を揃えているという各種内視鏡だ。「最近は拡大内視鏡を導入しました。通常の内視鏡に比べて約100倍の高解像度映像がモニターに映されるだけではなく、特殊な光を発することで、細胞や血管レベルで腫瘍を診断することができます。早期の胃がんや大腸がんの発見率が大幅に向上し、腫瘍の程度によっては内視鏡で切除することもできます。また、超音波内視鏡の導入によって、胆管や膵臓の検査でCTやMRIの画像検査では発見できないレベルの小さな腫瘍も見つけることができるようになりました。検査と同時に組織診断もできるので、治療への移行がスムーズになったこともメリットです。特に膵臓がんは6ヶ月〜1年で亡くなる病気なので早期発見のメリットが大きいでしょう」と高木先生は語ってくれた。消化器疾患の検査や治療は、診断能力も向上し、患者負担の少ないものとなってきているようだ。



検査を受けやすい体制
積極的に検査を受けて早期発見を逃さない
長引くコロナ禍に伴う、検査控えが問題になっている。その点について小川先生は「実際、便秘に悩んでいたけれどコロナ禍で検査を控えていた方が、我慢できずに来院されたところ、かなり進行した大腸がんだったという例もあります。大腸がんは早期発見できれば内視鏡で切除してそのまま帰宅することも可能です。ウィズコロナの時代なので、検診はしっかり受けるようにしましょう」と警鐘を鳴らした。とはいえ、大腸カメラには苦しいイメージがあり、トラウマを持っている方もいるかもしれない。そこで同院は、従来より細くてやわらかい大腸カメラを使用し、負担の少ない検査を心がけている。患者の同意を前提として、検査の苦痛や不快感を和らげる鎮静剤の使用も可能だ。「大腸がんに限らず、消化器疾患は初期症状がわかりずらい場合が多数です。胃潰瘍や腸炎の患者さんが圧倒的に多いですが、なかには特殊な疾患が発見されることもあります。当院は必要な検査のほとんどが可能ですし、専門医の数も多く市立病院や大学病院のようにお待たせすることはありません。大体は希望される日時で検査が可能です。平日が忙しい方には土曜日も対応しています」と小川先生は早めの受診を促す。

コロナ禍で増えた疾患
元には戻らない肝硬変になる前に
コロナ禍で増えているのがアルコール性の肝機能障害だ。進行すると肝硬変や肝臓がんになる病気だが、肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、初期症状がない。「アルコールの飲み過ぎによる慢性的な肝炎が肝硬変に進行するパターンが多く、白目や皮膚が黄色くなる黄疸、倦怠感や食欲不振などの症状が出てきます。肝硬変は一度なると元には戻りません。患者さんにはそのリスクをお伝えしつつ、禁酒や生活習慣の改善をしていただくように寄り添い、肝硬変にならないようにコントロールしています」と上野先生。肝臓の数値が気になる方は、一度詳しい検査を受けることが大切だ。