守口市と包括連携協定を締結
健康づくりの中心地となり
地域一体のチーム医療を目指す
総合病院として古くから守口市の地域医療に貢献してきた松下記念病院。今年2月には守口市と包括連携協定を結ぶなか、村田病院長の目指す地域医療の形と同院の役割についてお話をうかがった。
地域医療の役割
守口市と包括連携協定を締結
健康づくりの中心地へ
1940年、パナソニック株式会社の創業者である松下幸之助氏の初意により誕生した松下記念病院。2009年には地域医療支援病院および大阪府がん診療拠点病院の指定を受け、高度な急性期医療にも対応。心・肺・腎・消化器など主要な内科・外科疾患のみならず、血液疾患・膠原病・生活習慣病など幅広く診療している。また、骨折などの外傷や関節・脊椎疾患など整形外科疾患も増加。高齢者特有の疾患など幅広く診療し、「北河内地域を支える総合病院」として頼りにされている。「がん診療に対しては2021年に『がん診療センター』を開設し、外科・泌尿器科でロボット技術を導入するなど、診断から手術・局所療法、がん化学療法、放射線治
療、緩和ケアまで『がんの予防から終末期までのトータルケア』を実施しています」と話すのは、同院の指揮を執る村田病院長。また消化器センターや呼吸器センターも内科・外科が連携し、患者に寄り添った最適な医療を実践している。「後期高齢者人口が倍増し、今後は疾患や障害を持ち合わせながら長期に療養する患者様が増える時代に入ります。地域完結型医療への進化が求められる今、当院は今年2月17日に守口市と包括連携協定を締結しました。多様化・複雑化する地域課題や社会課題の解決には、当院がこれまで取組んできた健康と医療の知見を提供し、市と協力しながら地域住民の健康を守っていくことが必要と認識しています」。単なる総合病院ではなく、医療・行政・地域を結び、健康づくりのハブとなる総合病院へ。村田病院長は大きなビジョンを掲げ、今後も改革のタクトを振る。



地域住民との交流
市民公開講座や
わくわくフェスタが大好評
健康づくりのハブとなる病院を目指すなか、同院では健康に対する地域住民の意識改革に取組む。「当院は地域に根ざした医療を目指して、これまで積極的に地域住民とのコミュニティづくりに励んできました。市民向け講座を年間30~40回開催し、4000人以上の方に参加してもらうなど、日々のくらしと関連した幅広い講座内容をお届けしています」。市民公開講座を中心とする広報活動は、全国の病院広報事例を集めて、優れた病院を表彰するCBnews主催「病院広報アワード2024」において優秀賞を受賞。そのほか地域住民に寄り添った活動として地域と共創した大イベント「わくわくフェスタ2024」を開催した。「2017年から開催されている本イベントも年々パワーアップしています。昨年は『共創』をテーマに、病院スタッフが出展する『こども医療体験ブース』、行政・企業が出展する『お楽しみわくわくブース』など家族で楽しめる内容にしました。企業・行政・民間の協力によって前年度比約1.5倍となる約2300名の方にご来場いただきました。今年も5月17日に開催しますのでぜひお越しください」。


チーム医療の実践へ
健康づくりの核となり
地域一体を一つのチームに
「診療科ごとの横の連携が密で、多職種が協働して患者様に接する風土は当院の大きな強みです。今後も病院内のチーム医療を発展させるため、人材育成や教育面にも力を注いでいきます。さらに今後は守口市をはじめ、後方支援病院やかかりつけ医など地域の医療機関、地域の民間企業など、当院がハブとなって円滑な連携を図りながら、地域一体で一つのチームとなるような地域医療の形を目指していきます」。同院は、今後もコミュニティの中心となってより多くの資源をつなげながら市民の未来のくらしに寄り添い続ける。