八尾市立病院

先進的な治療とドクターコールの導入 地域と歩む循環器内科

急性期病院として地域の医療機関とも連携しながら、先進的な治療の提供にも尽力する八尾市立病院。新たな取組みを展開する循環器内科のカギを握る渡部先生にお話をお聞きした。

先進的な治療法の導入

 地域密着型の医療機関として急性期医療を中心に、救急医療やがん診療にも注力している八尾市立病院。なかでも循環器内科は専門的な不整脈診療を提供する数少ない医療機関として、地域医療において重要な役割を担っている。「当院には心血管カテーテル治療に精通した日本心血管インターベンション治療学会の認定医が4名在籍しています。また、不整脈専門医も5名在籍しており、心房細動や心房粗動をはじめとした頻脈性不整脈に対しては、カテーテルアブレーションを中心とした治療を提供しています」。そう話すのは、これまで先進的な治療法の導入を目指し積極的に働きかけてきた循環器内科部長の渡部先生だ。八尾市で本格的に高周波カテーテルアブレーション手術を導入し、その後不整脈の原因部位を冷凍凝固させる冷凍アブレーション治療や、従来の治療法と比べ、心臓周辺の臓器に障害を与えることが少ないパルスフィールドアブレーションも導入を実現させ、手術時間の短縮や合併症リスクの低減により、患者の体に負担が少ない安全な治療を届けてきた。「カテーテル治療に加え、脈が遅くなる疾患に対してはペースメーカ植え込み術も行っています。2024年にはリードレスペースメーカ植え込みの施設認定を受け、従来の治療と比べ大きな傷口が残らず、手術時間が短い治療法も適応があればご提案できるようになりました」。また狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対しても、高度なカテーテル治療を提供している同院。従来の風船療法では治療が難しかった硬化した血管の病変に対しては、高速回転するドリルによって石灰化病変を削るロータブレーターやダイアモンドバックといったデバイスを導入することで、現在はほぼ全ての虚血性心疾患に対するインターベンション治療が可能となっている。

1.血管にカテーテルを挿入して造影剤を注入し、X線で血管の状態を確認できる血管造影撮影装置
2.生活習慣病への理解を深めてもらうため、定期的に市民向けの公開講座を開催
3.先進的な治療法の導入や地域の医療機関との連携を積極的に図る渡部先生

地域医療との連携

 生活環境の変化により、年々増加傾向にある生活習慣病。高血圧、糖尿病、高脂血症などは動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や狭心症といった循環器疾患の発症リスクを高める要因にもなる。「生活習慣病が一因となり引き起こされる疾患として、下肢閉塞性動脈硬化症があります。この病気は足の血管が狭くなったり詰まったりすることで発症し、約3割の患者さんが冠動脈疾患や脳動脈疾患を合併しているというデータもあります。また無症状のまま進行するケースも多く、早期発見が重要になりますので生活習慣病の疑いがある場合はぜひ一度検査を受けていただければと思います」。

パルスフィールドアブレーションは、これまでの標準的な熱アブレーション治療とは異なるエネルギーにて不整脈の原因となる心房筋を選択的に治療する新しい治療法

生活習慣病の診療

 生活環境の変化により、年々増加傾向にある生活習慣病。高血圧、糖尿病、高脂血症などは動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や狭心症といった循環器疾患の発症リスクを高める要因にもなる。「生活習慣病が一因となり引き起こされる疾患として、下肢閉塞性動脈硬化症があります。この病気は足の血管が狭くなったり詰まったりすることで発症し、約3割の患者さんが冠動脈疾患や脳動脈疾患を合併しているというデータもあります。また無症状のまま進行するケースも多く、早期発見が重要になりますので生活習慣病の疑いがある場合はぜひ一度検査を受けていただければと思います」。

八尾市立病院

電話番号:072-922-0881(代表)

住所:八尾市龍華町1-3-1

ウェブサイト:https://www.hospital.yao.osaka.jp/