社医療法人 徳洲会 八尾徳洲会総合病院

幅広い外科手術に対応し地域医療に貢献
将来に備えた施策にも注力

八尾徳洲会総合病院の外科部門は、地域医療への貢献を目指して多数の手術を実施している。また、日本が抱える医療問題にも向き合い、様々な活動を行っている。その詳細を副院長の木村先生にうかがった。

地域医療への貢献

 『生命だけは平等だ』という理念の下、『いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会』を目指して、地域住民の健康を支え続けている医療法人徳洲会。八尾徳洲会総合病院でもその理念が貫かれており、多くの患者さんを受け入れている。外科は特に医師が充実しており、食道・胃・大腸の悪性腫瘍を扱う部門と、肝臓・胆のう・膵臓を扱う部門を合わせて18名の医師が在籍し、がんの手術だけでなく、急性腹症などの緊急手術にも対応する。同院の外科が担う地域での役割について、副院長の木村先生に詳細をうかがった。「私達は地域医療への貢献や、若手医師の育成などを目標に様々な活動を行っておりますが、やはり手術を多く行い、地域の皆さんの生命を守ることが大きな役割だと感じています。患者さんの身体的な負担をできるだけ減らせるように、早い段階から腹腔鏡手術を行い、近年では手術支援ロボット『ダヴィンチ』や、『サロア』を用いた手術を導入し、患者さんの生命を守っています。また、可能な限り多くの患者さんを治療できるように、病診連携にも注力しています。中河内医療連携の会という近隣の開業医の先生方との交流の場を設け、当院で対応する治療について講演を行ったり、定期的に開業医の先生のところへも訪問しています。そうした取組みを続けることで、例えば開業医の先生から検査のために患者さんを紹介していただき、問題がなければ患者さんをお返しするなどの連携がスムーズにできるようになりました。これからも地域の先生方と交流を深め、住民の皆さんの健康を守ることができればと考えています」。

1.八尾徳洲会総合病院の外科では消化器系のがんを中心に、多数の腹腔鏡手術を実施している
2.国産の手術支援ロボット「サロア」。離島での遠隔手術にも活用が期待される
3.新館が完成し、令和7年度中に増床を予定

将来に備えた取組み

 地域医療への貢献に邁進する同院だが、離島やへき地での医療支援にも注力しており、昨年は光ケーブルや低軌道衛星通信を用いた移動型遠隔手術の実証実験を行った。「前述の『サロア』という手術支援ロボットは重量が軽く、通常のエレベーターでも搬入が可能という特徴を活かし、昨年大阪大学と共同でサロアを離島に運び込み、遠隔手術をする実証実験を行いました。その結果光ケーブル通信下ではほぼ遅延なく操作でき、衛星通信では若干の遅延があったものの動作が行え、遠隔手術の可能性を感じました。今後は動物実験を経て、近い将来運用が可能になると考えています」と、木村先生は語った。また、人口減少に伴う若手医師が経験を積む機会が減少している問題についても、同院は対策を行っているようだ。「日本の人口減少は避けられない問題で、今後さらに若手医師が経験を積む機会は失われていきます。そこで当院は『外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)』を受審しました。これにより近隣の外国人患者さんをより多く受け入れ、医師に十分な経験を積ませることができるのではないかと期待しています」。

手術支援ロボット「ダヴィンチ」。医師がアームを操作し、鉗子を介して手術をする。手ブレの危険がないため安定して手術を行え、身体的負担も開腹手術と比べて少ない

新館の完成と本館の改築

 同院は現在、さらなる患者さんの受け入れができるよう増改築を進めており、令和6年12月には新館が完成した。木村先生は今後の展望についてこう語った。「新館が完成したことで、本館にあった会議室や更衣室、管理部門などの設備を移動することができました。現在は空いたスペースを病室にするための工事を行っており、令和7年度中には60床増床し、急性期領域の診療を強化できるよう準備を進めているところです。さらに今後は三次救急や外傷外科についても体制を強化して、地域の患者さんに貢献できればと思います」。

医療法人 徳洲会 八尾徳洲会総合病院

電話番号:072-993-8501

住所:八尾市若草町1-17

ウェブサイト:https://www.yao.tokushukai.or.jp