婦人科疾患の低侵襲治療と予防医療に力を注ぎ
周産期のサポートも拡充
東大阪エリアで、急性期医療や地域包括ケアを担っている恵生会病院。とりわけ婦人科疾患の低侵襲手術や、周産期の診療に力を入れており信頼が厚い。現場で活躍する張先生に、所感をうかがった。
充実した婦人科診療
低侵襲手術を実施し地域医療に貢献
恵生会病院は産婦人科のクリニックをルーツとし、分娩ができる総合病院として、主に周産期分野で地域に貢献し続けてきた。令和5年には、婦人科内視鏡手術に豊富な経験を持つ子安院長の主導で「婦人科内視鏡手術センター」を開設。婦人科疾患の治療がより一層強化された。産婦人科医長を務め、現場で活躍をしている張先生に現在の状況をうかがった。「当科では子宮筋腫や卵巣嚢腫の患者さんを主に診療しており、必要に応じて腹腔鏡手術を実施しております。手術の際は『できるだけ子宮や卵巣を残したい』という患者さんの声を最大限尊重し、できる限りの治療を行っています。また高齢化の影響により、近年子宮脱の患者さんが増加しており、こちらも保存的治療から外科的治療まで幅広く対応しています。いずれの病気も早期発見であれば、身体への負担の少ない治療が行える可能性が高まるため、病診連携にも力を入れ、子安院長やほかの先生と共に積極的に開業医の先生に挨拶に伺い、連携を深めています。その結果、現在では手術前後の連携が非常にスムーズにできるようになりました。最近では、近畿だけでなく日本全国から手術の相談が増加しており、より多くの患者さんの助けになれていると感じ、嬉しく思っています」。婦人科の病気は男性医師には相談しづらいと感じる患者さんも多いが、同院の産婦人科は女性医師の割合が高く、受診のハードルは低い。「今年4月には新たに女性の常勤医師が加わり、7名中5名の医師が女性となります。希望があれば、午前午後どの時間帯でも女性医師が対応できるようになりますので、お気軽にご相談いただければと思います」。



不妊治療や予防医療の強化
手術による不妊治療や子宮頸がんの予防に注力
同院では婦人科疾患の治療だけでなく、不妊治療にも力を入れている。「不妊の原因は様々ですが、卵管閉塞や帝王切開後症候群などが原因であれば、腹腔鏡手術で改善できることが多いです。当院では、卵管の造影検査や超音波検査に対応しており、検査後に子安院長を含めて複数の医師で不妊の原因を多角的に精査します」。また、同院は子宮頸がんに対する予防医療にも注力している。「コルポスコピーと呼ばれる検査機器を導入しました。拡大鏡で子宮頸部を観察する検査で、がんの疑いがある組織が見つかれば、採取して検査を行います。初期の段階でも高い確率で病気を見つけることができ、早期の病変であれば円錐切除術などの治療を行うことが可能です。また、子宮頸がんの罹患自体を予防するために、当院ではHPVワクチンの接種に常時対応しています。16歳までに接種することで、子宮頸がんに罹患する確率を大きく下げることが可能です。お子さんだけで受診がしづらい場合には、親子で一緒に受診していただくこともできますので、ぜひご相談いただければと思います」と、張先生は柔和な笑顔で語ってくれた。

周産期のサポートを充実
妊婦向けの体操教室や産後ケア事業の実施
本館の改装工事を終えた同院では、病室の快適さが増し、周産期のサポートも一層充実した。「今年は月に一度、妊婦さんに向けた体操教室を開始するほか、ヨガ教室やベビーマッサージなども実施する予定です。また、東大阪市民限定で行っている産後ケア事業も継続しており、ショートステイとデイサービスのどちらもご利用いただけます。育児相談や、授乳指導、沐浴指導を受けることができますので、東大阪市民の方はぜひご活用いただければと思います。今後も出産前から出産後まで、充実したサービスが提供できるように職員一同励む所存です」。