医療法人 慈眼会 小島眼科医院

小島 伸介院長

【プロフィール】A型/射手座/近畿大学医学部大学院卒/大阪市出身/日本眼科学会専門医、医学博士
【趣 味】冬はスノーボードに行くこと。北海道まで出かけています。最近はウェイクサーフィンも始めました。普段は筋トレとお酒を飲みに行くことでストレスを発散しています
【座右の銘】「人間、辛抱が銭」何事もがまん。耐え忍びながらも続けることで、何かを成せると思います

症状が出てからでは遅い緑内障に注意を

 小島院長が近頃感じているのは、高齢化もあり緑内障の患者が増えているということ。「40代は20数人にひとり、70代なら10数人にひとりは緑内障があると言われていますが、高齢者が増加しているぶん、患者さんも増えていると思われます」。緑内障は放置していると失明に至る怖い眼の疾患。病気や事故で眼が見えなくなる中途失明の原因でもトップに挙げられている。基本的には進行が遅いことが多く、典型的な症状である視野の欠損も初期の段階ではほとんど自覚できない。また人は多少視野が欠損しても、異常がないもう片方の眼や脳が補ってしまって異常を感じないこともある。「緑内障とは別の病気の検査をして見つかることが多いですね。あるいは高齢者だと視力が極度に落ちてから来られる患者さんもいます」とのことで、自覚しにくい点が問題だ。なお、視野や視力に異常を感じられるまでになるとすでに多くの神経がダメージを受けてしまっているので、そこからの回復は見込めない。だからこそ緑内障は早期発見・早期治療が肝となる。また基本的に病気の進行はゆっくりだが、その速度は人によってまちまちである。「それぞれの患者さんの推移を見ないと、どれぐらいの速さで進行するか分かりません。また早期から治療をはじめるためにも、40代以上の方は少なくとも1年ごとに検査を受けることをお勧めします」。

緑内障の診断では神経の状態を知ることが重要なため、神経の厚みや形状が分かるOCTを用いる。上は正常な神経の画像で、下は緑内障の神経の画像。ダメージを負った神経を赤く表示している

 緑内障の検査では視力、眼圧、視野、神経などの状態を調べる。緑内障には様々なタイプがあり、日本人でもっとも多いのは眼圧が正常範囲内でありながら視神経がダメージを受けて視野が欠けてくる正常眼圧緑内障。点眼薬で視神経にかかる圧力を下げる治療が中心になる。また眼内の水晶体に栄養を与える房水を排出する隅角が水晶体に圧されて狭くなり、溜まった房水のために眼圧が高まる閉塞隅角緑内障というタイプもあり、こちらは一夜にして失明してしまう急性緑内障発作を起こす危険性をはらむ。小島眼科では閉塞隅角緑内障等の程度を調べるのに有効な前眼部の検査機器『CASIA2』を備え、精度の高い検査に基づいた適切な治療を行っている。「患者さんが見ても隅角の状態がひと目で分かる画像で、閉塞率の数値も表示されます。閉塞隅角緑内障の治療として水晶体を眼内レンズに取替える白内障手術をすることもありますが、自身の隅角の状態を見てもらうと手術の必要性も伝わりやすいですし、患者さんが前向きに治療に取組みやすいというメリットもあります」。また神経や血管を検査する『OCT』という機器も備え、合わせて緑内障の検査と、患者への説明に力を発揮している。自身の眼の状態を分かりやすく理解できるので、一度検査だけでも受けてみてはいかがだろうか。

CASIA2で撮影した正常な人の隅角の画像。
この画像は肥大した水晶体に圧されて隅角が閉塞し、緑内障のリスクが高いことが分かる。CASIA2は隅角だけでなく角膜の形状も見えるため、乱視、円錐角膜、角膜変形の診断にも力を発揮する

 

加齢で白く濁った水晶体を眼内レンズに替える白内障手術において、小島眼科では従来の単焦点と2焦点に加え、遠・中・近距離が見やすい3焦点レンズも扱っている。2焦点レンズには視界の光が滲んだりぎらついてまぶしく見えるhalo・glare現象という副作用の可能性があるが、3焦点レンズではそれが低減されるメリットもある。「例えばピアノが趣味の方なら、鍵盤や譜面が見やすい中・近の2焦点レンズが合うでしょう。また遠くを見るため遠・中のレンズにしたいけど、近くを見るのに老眼鏡をかけるのが煩わしいなら、裸眼でも遠・中・近距離が見やすい3焦点レンズがいいかもしれません。それぞれに特色がありますが、患者さんの趣味や仕事も含めたライフスタイルに合わせて眼内レンズを選択することが重要です」。普段の生活で何緑内障診断に有効な検査機器や、3焦点レンズを導入を見てどのように過ごすか改めて振り返ると、見るという行為の重要性に改めて気づくはずだ。命に直結する臓器ではないため注意を怠る人も多いそうだが、眼が見えなくなる、あるいは見えにくくなるということはQOL(生活の質)に大きく関わること。健康寿命への影響も大きいだけに、定期的な検査で眼の健康を維持してもらいたい。

教えて先生!

眼内レンズにも種類がありますが、多焦点レンズが一番良いものなんですか?

3焦点レンズと2焦点レンズは遠くも近くも見えますが、薄く膜がかかったような映像になります。
対して単焦点レンズは近・中・遠のいずれかしか見えませんが、クリアさが失われることはありません。
これらメリット・デメリットと仕事やライフスタイルをすり合わせて選択することが重要です。

緑内障は早期治療で失明を予防可能
年に一度の検診と同時に眼科の検査を

視野が狭まる自覚症状が出た段階では、緑内障はかなり進行した状態です。しかし5年や10年単位のゆっくりとしたスピードで進行するため、早く治療をはじめれば症状を抑えられます。早期発見のためにも、一年に一度がん検診や生活習慣病の検査を受けるように眼科も受診してください

医療法人慈眼会 小島眼科医院

電話番号:072‐991‐4107

住所:八尾市山本高安町2‐13‐3 高安クリニックビル4F

ウェブサイト:https://kojima-eyeclinic.com/

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