独立行政法人 地域医療機能推進機構 星ヶ丘医療センター

小児整形外科

子供の整形外科疾患は、成長に伴う病状の変化などを予測して治療を行うため、経験や専門的知識が必要となる。星ヶ丘医療センターでは治療を充実させるべく、昨年4月に吹上先生を招聘した。

先天性疾患や脳性麻痺など
幅広い小児整形疾患に対応

小児整形外科設置の意義

小児整形外科を開設した背景について、細野院長にお話をうかがった。「小児の整形外科疾患を専門とする医師は非常に少なく、治療を行える施設も限られるため、成長が止まるまで適切な治療を受けられない方がいらっしゃるのが日本の現状です。吹上先生にお越しいただいたことで、近隣の患者さんへより充実した医療が提供できると期待しています」。

小児整形外科の強み

星ヶ丘医療センターには整形外科に18名、小児科に5名の医師が在籍している。その先生方が協力して診療にあたることで、個々の症例に合わせた治療が可能となる。「当院では私の赴任前からスポーツ整形外科を中心に小児の治療や手術が行われており、手外科専門医や脊椎脊髄外科専門医の先生もいらっしゃるので、カンファレンスや各専門医への直接の相談を通じて症例の検討をすることができ、非常に心強いです。また、当院は脊椎損傷の患者さんが全国から集まる病院であり、麻痺や障がいのある患者さんのリハビリ経験も豊富です。小児のリハビ
リにも対処可能な技術のあるスタッフが結集しており、そこも大きな強みだと感じています。そして内科的な問題が発生した場合にも、小児科の先生と相談しながら治療にあたれるので、医療環境が充実していると思います」と、吹上先生は同院の強みを語った。吹上先生は股関節疾患や足部疾患の治療経験が豊富で、他府県からの紹介で来院する患者さんも多く、脳性麻痺などに伴う麻痺性股関節脱臼や麻痺性足部変形の治療まで対応している。それらの疾患はできるだけ早い段階から治療することが望ましく、お子さんの様子に不安を感じることがあれば、ぜひ相談をしてほしい。

小児整形外科の受診について

吹上先生は近隣の方に向けて、取材の最後にメッセージを寄せた。「生まれつき股関節が外れている先天性股関節脱臼という疾患があるのですが、10年くらい前の調査で、乳児健診でチェック項目があるにもかかわらず6人に1人が見逃されているという結果が出たことがあり、非常に深刻だと感じました。小児整形外科に関しては、ご家族や学校からの相談も広く受け入れる必要性を感じています。お子さんが歩くときに身体が歪んでいる、痛がっているなどの様子があれば、受診をご検討いただければと思います」。

吹上先生の診療風景。先生は小児整形疾患が見逃されやすい現状を鑑み、メール相談も受け付けている(fuki8187@gmail.com)
広さと設備の充実したリハビリテーションルーム。地域医療機能推進機構のなかでもスタッフが多く、きめ細やかなリハビリテーションを提供できる

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TEL:072-840-2641
枚方市星丘4-8-1


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