社会医療法人医真会 医真会八尾総合病院

迅速かつ的確な治療で多くの命を救ってきた一次脳卒中センター

日本における死亡原因の第4位である脳卒中。1分1秒でも早い治療が求められる脳卒中に対応する医真会八尾総合病院の取組みや、患者の社会復帰を支える垣根を越えた連携体制についてお話をうかがった。

脳卒中への救急対応

早期治療へつなげるため救急隊との協働体制を構築

脳卒中の急患をはじめ、脳腫瘍、頭部外傷など脳神経疾患の入院診療にも対応する医真会八尾総合病院の脳神経外科。24時間365日対応で脳卒中の患者を受け入れており、高度な治療が提供できるなどの条件を満たした「一次脳卒中センター」、および「日本脳卒中学会認定研修教育施設」に認定されている。脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つに大別され、脳の血管が詰まったり破れて出血することで発症する病気だ。その発症数は年々増加傾向にあり、一命を取留めたとしても重い後遺症が残るケースも多い。「脳卒中は初期対応がとても重要になってきます。発症後できるだけ早くに適切な治療を受けることができれば、生命予後だけでなく、良好な機能回復にもつながることが分かっています。そのため当院では、医師が救急隊からの要請を直接受けつける脳卒中コールを導入。CT・MRIといった画像診断や検査などを搬入後間断なく行い、治療まで速やかに移行できる体制を整備しています」。治療においては外科的手術のほかに、傷口がほとんどなく体への負担が少ないカテーテル手術にも対応。この治療法は脳血管内治療専門医の資格のほか、様々な条件が必要になるため、対応できる医療機関が限られている。患者一人ひとりのケースに合わせて最適な治療法を選択できるのは、同院の強みの一つになっている。また治療後の救急隊へのフィードバックも重要視。救急搬送された患者の診断結果などを後日共有することで、搬送中の処置や搬送先の判断、医師への伝達内容などに活かせるようにし、脳卒中におけるより良い救急システムの構築を目指している。

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2001年の赴任当初からカテーテル手術の将来性に着目してきた黒川先生
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「いつもと違う頭痛など、少しでも違和感を感じたらかかりつけ医に相談してほしい」と内山先生
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脳卒中における発症の予防や早期治療に尽力する桝谷先生

一貫したサポート体制

多職種によるチーム医療でスムーズな社会復帰を実現

脳卒中は発症直後の速やかな治療とともに、リハビリの早期開始と継続が重要になってくる。同院では院内での早期リハビリはもちろん、医真会八尾リハビリテーション病院とのシームレスな医療連携にも注力。週に一度、医師、看護師、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカーによるカンファレンスを行い、患者の現状や今後のリハビリ計画などについて情報共有や意見交換を行っている。医真会八尾リハビリテーション病院は2021年に八尾市服部川から都塚へ拠点を移し、規模を拡大させた同院の関連病院。優秀な人材をはじめ、充実の設備・機器が揃い、地域屈指のリハビリ環境を用意している。「患者さんが社会や自宅へ安心して戻れるように、入院早期から医療ソーシャルワーカーがご家族や地域の医療機関との架け橋となり、退院後の生活に向けた調整を行っています。また脳卒中は生活習慣や基礎疾患など、複数の要因が絡み合っていることが多く、薬剤師や管理栄養士も介入しながら再発防止に向けたサポートに取組んでいます」。脳卒中患者が退院後、安心して地域生活を送れるよう多職種が一体となって支えている。

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基礎疾患・危険因子の管理や合併症の予防などについて、多職種で情報共有や意見交換を実施。患者一人ひとりに合わせた治療・リハビリにより、スムーズな社会復帰へとつなげている

垣根を越えた取組み

院内外の連携を強化し総合的なアプローチを

脳卒中と比べて、徐々に症状が出てくるケースが多い転移性脳腫瘍。肺がん、乳がん、消化器がんなど、ほかの場所にできたがんが脳に転移してできる腫瘍で、もともとのがんが無症状の場合、転移した脳の病変によって初めて疾患が発見されるケースも多い。「転移性脳腫瘍の場合、脳神経外科のほかに内科医と協力しながら治療方針を決定しています。多角的な視点で治療方針を検討するためにも、診療科を越えた連携は非常に大切です」。垣根を越えた取組みは、院内にとどまらず地域の医療機関との連携も強化。今後も地域に開かれた病院として脳疾患医療に貢献し続けていく。

社会医療法人医真会 医真会八尾総合病院

電話番号:072‐948‐2500(代)

住所:八尾市沼1‐41

ウェブサイト:https://www.higashiosaka-mc.jp/

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