医療法人 寿山会 喜馬病院

Helloご近所ドクター

目標は「地域の幸福」 医療と介護の複合体として包括的なサポートを提供

1953年の開業以来、常に地域に寄り添った医療提供を展開してきた喜馬病院。2021年1月の発足から一年が経った地域支援プロジェクト『笑活(わっか)』のこと、同院の強みや地域に対する思いを、3人のキーパーソンに話している

在宅での生活を支える力

グループ内外の連携でワンストップの医療を提供

半世紀以上、地域密着型の病院として医療を提供してきた喜馬病院。高齢化する地域で長年患者に寄り添った病院運営をしてきた喜馬理事長は「人間にとって最も大事なことは住み慣れた自宅で不自由なく生きること」だと語り始めた。「患者様にとって最大の療養の場は自宅です。地域には高齢化に伴ってさまざまな疾患を併発したり体力が低下している患者様が増えている。病院では治癒できない方や、支えがないと自宅で過ごせない方が多くなる中で、誰もが自宅で普通に暮らせるように寿山会グループの機能を整備してきたのが当院の歴史です」。その言葉通り、同院には多くの診療科を有する急性期病院としての機能のほか、療養しながら早期の離床や社会復帰を目指す回復期リハビリ病棟や地域包括ケア病棟を備え、在宅医療や在宅介護にも対応。グループ内には在宅が困難な方に向け4種類の入居型施設を併設している。「疾病を持った患者様に治療やリハビリを施し自宅まで戻す力。そして自宅での生活を維持するために支える力が我々の強みです」。一人ひとりで異なる複雑な問題を抱える高齢者に対して医療と介護をワンストップで提供するために、同院はいち早くICT(情報通信技術)を導入し、医療と介護の情報を電子カルテで統一している。また、『ID-Link(アイディーリンク)』というシステムでは患者の医療情報を1つのIDに集約。グループ内外でネットワークを構築することで、近隣の医療機関との情報共有がスムーズになった。今後はIDに介護情報も紐付けられるように開発中とのことだ。「患者様と信頼関係を築き、何か困ったときに『喜馬病院なら解決してくれる』と思っていただけるように」と喜馬理事長は、医療・介護・在宅の包括的なサポート体制を敷く理由を話してくれた。

地域支援プロジェクト

地域住民が支え合う場「笑活」発足から一年

少子高齢化によって介護費や医療費が財政を圧迫し、高齢者を支えるための介護保険サービスが圧縮されつつある。そこで同院は、2021年1月から地域支援プロジェクト『笑活』を発足した。地域住民が集まり互いに助け合うためのコミュニティースペースで、毎日『動く・学ぶ・遊ぶ』をテーマに考えられたイベントやプログラムが開催されている。プロジェクトの中心メンバーである今井課長は「集団運動、体力に合わせた個別の運動、ダンスやヨガなど楽しみながらできる運動のほか、排泄や感染症などの勉強会などプログラムはさまざま。メンタルを含めた健康管理が目的で、定期的な歯科検診や栄養状態の確認もあります」。地域には単身の高齢者が増えている。社会的なつながりの場を提供することで孤立を防ぎ、うつや認知症を予防するという意味でも重要性の高い取組みだ。実際に会員のなかには、他の会員やスタッフの手伝いを通して生きがいを感じる方もいるという。同院には、プロジェクトに必要な医療的なフォロー、栄養や薬剤の管理、口腔ケア、リハビリなどを提供する全職種が揃っている。医療と介護の双方を手掛けているからこそ実現できた社会貢献事業は、新しい地域包括ケアの形として国からも注目されている。

一般の方や医療従事者に向けて講演をするなど、多方面で活躍する喜馬理事長。
「我々の持つリソースやマンパワーを最大限に活かして、地域の幸福を目指します」

リハビリの強み

専門的なリハビリを患者の生活に還元する

「医療と介護の一体提供に高品質なリハビリは欠かせません」と理学療法士の井尻部長。グループ内の各施設で総勢100名以上のスタッフを抱えているため、どの施設でも同じコンセプトのリハビリを受けられるように教育も徹底している。「歩けない方が10人いれば10通りの歩けない原因があります。対症療法的な処置ではなく、根本原因を突き止めて治療をすることがコンセプトです」。また、同院ではリハビリの研究室も設けているため、肩・膝・脊椎など部位ごとのプロフェッショナルが育つ環境だ。研究・臨床によって培われる技術は、教育された理念があるからこそ患者の生活へと還元される。

超伝導MRI装置。国内最大級の磁場強度を誇り、より詳細な観察や検査時間の短縮を実現
リハビリスタッフ、看護師、管理栄養士、歯科衛生士など多職種が笑活に協力している
笑活での集団運動の様子。ほかに各種講座やイベントなどを開催し、高齢者の心身を支える

Clinic Data
院名 医療法人 寿山会 喜馬病院
電話番号 072-961-6888
所在地 大阪府東大阪市岩田町4-2-8
公式ホームページへ

関連記事一覧