社会医療法人医真会 医真会八尾総合病院

Helloご近所ドクター

頻発する高齢者の骨折へスペシャリストが集結する「手の外科センター」が活躍

近年の高齢化を反映して転倒による骨折が増加。なかでも大きなウエイトを占める上肢の骨折に対して「手の外科センター」を統率する3名の医師に、同センターの特徴と専門性を発揮した取組みについてお話をうかがった。

整形外科の役割

高齢者の転倒事故による手足の骨折が増加!

昭和63年の開院以来、長く地域医療に貢献する医真会八尾総合病院。総合病院として幅広い診療領域をカバーする同院では昨今の高齢化に伴って高齢者の骨折が増加し、整形外科の果たす役割が年々大きくなっている。同科では脊椎から手足にわたる整形外科疾患全般に対し幅広く対応。手・足・脊椎などそれぞれの専門性を活かした質の高い医療を繰り広げ、年間約1100例の手術を行っている。「近年は高齢者の転倒事故が後を絶ちません。大腿骨骨折以外では上腕骨頸部骨折・橈骨遠位端骨折など上肢を占める骨折が大きなパーセンテージを占めており、当院の手の外科センターに期待がかかっています」とお話しするのは手の外科センター長の藤谷先生だ。同センターは医師5名を中心に構成され、その内日本手外科学会指導医4名・専門医1名在籍。一般病院でありながらも高いレベルの手術を実践している。「日常生活でも使用する頻度が多い手や指の中には、骨・関節・腱・神経・血管など多くの組織が複雑な構造をなしています。当センターでは専門医による豊富な知識、熟練の技が光る低侵襲の関節鏡視下手術、さらには手専門のリハビリスタッフのサポート力を組み合わせた総合力を武器としています」。手外科のスペシャリスト5名がリードするチーム医療の実践によって、患者さんが得られる恩恵は多い。特筆すべきは質の向上だ。複数のスペシャリストが患者さんの状態を見極め、治療法の最適解をディスカッション。術後は早期社会復帰に向けて、手のリハビリに特化したハンドセラピストを含む25名の療法士が訓練をサポート。同院で手術を行った患者さんは術後の回復レベルが高く、他院からの手術依頼も年々増加している。

手の外科手術について

精密かつ低侵襲の関節鏡視下手術を実践

外来は隣接する医真会総合クリニックスが対応し、連携を取りながら救急疾患を中心に同センターが処置・手術を実施。対象とするのは手首・指・ひじの怪我。特に三大骨折の一つ、手首の骨を折る橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)が急増している。「骨粗しょう症により骨がもろくなっている高齢者は、転倒時に反射的に手をついただけで簡単に手首の骨が折れてしまいます。高齢者の場合は治療が難しい手首関節内の複雑骨折が多く見られ、治療が遅れてしまうと手の動きに障害や変形が残ってしまう恐れがあります」。対応が難しい高齢者の手の手術において、医師に求められるのは、精密性と低侵襲。その両方を叶えるのが、手関節の鏡視下手術の併用である。「近年は関節鏡視下手術の技術も発展し、患部の状態が複雑な場合でもより高度な手術を鏡視下で行えるようになりました。関節鏡視下手術では『周辺の正常組織を傷つけにくい』、『術後の痛みが少ない』、『感染症を起こしにくい』など患者さんの負担が大きく軽減されます。私たちはご年齢やご職業、日常の生活スタイルなど患者さんのバックグラウンドを捉えながらベストな治療法を提案しておりますので、諦めずにまずはご相談ください」。

多くの高齢者や学生が住み、町工場も点在する八尾エリアでは、不慮の事故により緊急手術を要するケースが多く、同院の「手の外科センター」が柔軟に対応している 

手の外科センターの展望

先進医療の追求と人材育成で地域医療の役割を担う

八尾地域でもトップレベルの医療技術を誇る同センターは、専門医を育てる教育研修施設としても稼働。地域における手外科のリーディングセンターとして、積極的な先進医療の追求と人材育成によって、地域医療への貢献を目指す。「欠損した神経を回復させるために、現在はコラーゲン製の人工神経を用いることで神経再生を促す先進医療も導入しています。手の疾患に関しては、ほとんどを当院で対応できる環境にあります。あとは各手術においてどれだけ質を高めることができるか。人工手関節の導入など先進医療を追求し続けることを使命に今後も邁進します」。

土曜日に手の外来を担当する、奈良県立医科大学の面川庄平教授。手の外科に関する積極的学会発表で数々の功績を残す
面川教授と共に外来を担当する、奈良県立医科大学臨床教授の飯田昭夫先生
手の外科センターでは藤谷先生・片山先生・速水先生の3名が常勤する

Clinic Data
院名 社会医療法人医真会 医真会八尾総合病院
電話番号 072‐948‐2500(代)
所在地 大阪府八尾市沼1-41
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