社会医療法人医真会 医真会八尾総合病院 (整形外科)

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地域高齢化で高まるニーズ
手・足・膝・関節・脊椎・脊髄等
各専門医師が力を発揮
総合病院として幅広い診療を設ける医真会八尾総合病院。近年加速する高齢化により、整形外科が大いに力を発揮している。1月に赴任した若きリーダーである森田先生に、整形外科の取組みと強み、地域住民へのメッセージをうかがった。
社会医療法人医真会 医真会八尾総合病院 (整形外科)
森田 稔也 先生
高齢化社会に向けて
高齢者の転倒事故が増加
高まる整形外科のニーズ
昭和63年に開院後、長く地域医療に貢献してきた医真会八尾総合病院。中河内医療圏における救急医療・急性期医療にも対応しており、24時間体制で救急車搬送・時間外受診の受け入れも実施している。総合病院として幅広い診療科を設ける中、加速する八尾地域の高齢化問題に対して、近年は整形外科が大きく活躍。外傷・関節外科・足の外科・手の外科を中心に年間約1000例の手術を行っている。「高齢者の転倒事故が多く、大腿骨頸部骨折、上腕骨頸部骨折、手首部分にあたる橈骨遠位端骨折などが急増しています。高齢者の骨折はQOL(生活の質)やADL(日常生活動作)に大きく影響するため、積極的に手術をすることによって早期離床・早期リハビリテーションを行うように心がけています。また、高齢者の方は合併症をお持ちの方も多いため、内科医や麻酔科等との連携は欠かせません。当院は手術が強みとは言え、正確な診断の上、まずは手術以外の保存的治療を原則としています。患者様のご希望や生活背景を踏まえた上で、一緒に治療方針を決めていきます」と森田先生は語る。検査ではMRI・マルチスキャンCT・血管造影・骨密度測定装置など各種検査装置を備え、手術となった場合は森田先生をはじめ整形外科の医師が、手・足・膝の外科などそれぞれの専門性を活かした質の高い治療を提供している。「当院の外来は救急診療、時間外緊急診療に特化し、一般の外来診療は同院併設の医真会総合クリニックスで対応しています。首や腰の痛み、手足のしびれや痛みなど些細なことでも構いません。力が入らなくなる運動性麻痺、感覚が鈍くなる感覚性麻痺、排尿・排便障害など重篤な症状に至る前に、まずはお気軽にご相談ください」。
「些細なしびれも見逃さないでほしい。まずは相談を」と力強く訴える森田先生。脊椎・脊髄の領域を専門とし、他領域の医師と協力し、専門的な手術を行う
日本整形外科学会専門医の荒木正史先生
日本整形外科学会専門医の井上大典先生
専門医師による手術
脊椎・脊髄病専門外来を
今年1月からスタート
各専門の医師が積極的に膝・足・手関節の鏡視下手術や低侵襲手術に取組む医真会。なかでも森田先生が得意とする領域が脊椎・脊髄だ。医真会では脊椎・脊髄病専門外来を設置し、手術を含めた総合的な治療を提供している。「専門外来設置の背景には、高齢化による加齢性疾患の増加が背景にあります。しかし、脊椎や脊髄の異常は高齢者だけでの疾患ではなく、重労働やデスクワークなどで首や腰に長時間の負担がかかる方も当てはまります。若年者から中高年と幅広い患者様の訴える症状を迅速に診断し、症状に合わせた適切な治療法をご提供できるよう努めています」と森田先生。患者の重症度や日常生活の状況などを考慮し、まずは内服治療・リハビリテーション治療・ブロック注射等の保存的治療を選択。その後、改善が見込めない場合は手術へと移ります。「手術方法は神経を圧迫している部位を確実に除去する椎弓形成術、顕微鏡を用いたヘルニア摘除術、脊椎に金属を埋め込むインストゥルメンテーション手術など多岐に渡ります。手術において精度の高い手術を行うことを第一と考えていますので、術前カンファレンスを医師全員で検討し、全例で術中脊髄・神経モニタリングも行っています」。
整形外科領域における幅広い疾患に対して、専門医師が手術を担当。低侵襲な治療を目指し、術後の疼痛管理も可能な限り、患者の負担軽減を図る