医療法人 恵生会 恵生会病院

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女医初診チームを中心に
産婦人科×チーム医療で
妊娠前から産後までケア
産婦人科を起点として開業に至った恵生会病院。現在は地域で数少ない分娩に対応できる総合病院として、内科・外科・小児科や管理栄養士が連携したチーム医療で妊娠や出産をサポートする。その取組みについてお話をうかがった。
医療法人 恵生会 恵生会病院
張 波 先生 松田 孝之 副院長
産婦人科×チーム医療
多角的な診察や検査で
がんを早期発見
妊活から妊娠中や出産後に至るまでのトータルサポートや、ハイリスク妊婦ならびに低出生体重児への急性期医療など、産婦人科を主軸に地域に貢献する恵生会病院。地域で数少ない分娩に対応できる総合病院として、平均で年間約700人もの命が生まれる瞬間に立ち会ってきた。糖尿病治療にも注力し、産婦人科と内科や管理栄養士が連携したチーム医療で糖尿病妊婦の診療に取組んでいる。女性のがん検診にも対応する同院の産婦人科に、2020年4月から新たに就任した張先生に話をうかがった。「過去には産婦人科医のほか、研究員として乳がんに関する研究も担当してきました。また、大学病院では悪性腫瘍の手術や術後管理の経験もあります。培った知識をもとに、子宮頸がんや乳がんの検査では多角的な診察を心がけ、がんの早期発見を目指しています」。マンモグラフィーやMRIをはじめ様々な検査機器が揃う同院では、定期検診から精密検査まで一貫した対応が可能だ。「大学病院には重篤化した病気の治療に取組む役目がありますが、一方で町の総合病院では各疾患の早期発見が求められます。地域に根付く医療機関を目指して、今後も検査の精度を上げて1人でも多くの命を救いたい」と真摯な眼差しを向ける張先生。同院では良性腫瘍を治療しながら、悪性腫瘍を疑う場合には迅速に外部の医療機関と連携して手術できる体制を整備済み。そのほか子宮筋腫や子宮内膜症、性器脱をはじめ、多くの女性が悩みを抱えるような疾患にも幅広く対応している。「婦人科のお悩みはなかなか話しづらいものですが、乳房や子宮の痛みや腫れ、月経時の違和感などどんな些細なことでも遠慮せずにご相談ください」。同院は地域の女性の強い味方で在り続ける。
糖尿病治療のために、診療科の枠組みを超えて結成した糖尿病チーム。内科や産婦人科に加えて管理栄養士なども在籍する
マンモグラフィーを用いた乳がんの定期検診にも対応
大学病院での経験を活かして、地域の総合病院の役割と強みを追求する張先生
初診は女性医師が担当
女性患者が安心して
相談できる環境を用意
産婦人科に在籍する3名の女性医師が初診を担当してくれるのも同院の特徴だ。「患者様目線に立った時に女性の医師の方が相談しやすいと考えて、現在の体制を整えました。実際に患者様からの相談内容の質や具体性が向上しています」と話す張先生。特に思春期の女の子は生理不順や肌荒れなどの悩みを抱える一方で、男性医師には相談できないケースも。同院ならホルモン治療や肌トラブルの治療も行っているため、診察から治療まで任せられる。ただ、治療内容によっては在籍する男性医師の専門分野に当たる場合も。そこで2回目以降の外来では、患者さんの希望に合わせて医師を選択できるシステムを採用した。また同院では20〜40代の女性が抱える不妊の悩みにも手を差し伸べる。様々な検査を行ったうえでタイミング療法や排卵誘発、人工授精など年齢に応じた治療法を提案。なかでも不妊原因の3割を占める卵管性不妊には、日帰りで受けられる『卵管鏡下卵管形成術』を採用し、妊娠率向上を目指す。院内には専門医を配置した更年期外来も。45〜55歳のホルモンバランスの乱れに着目して、前向きな更年期を過ごせるようメンタル面からサポート。専門性×チーム医療で、各世代の女性が抱える悩みを解消することで地域に貢献し続けている。
産婦人科の初診を担当する3名の女性医師。相談しやすい環境を整えることで、症状のみならず日常の悩みも解決できるようサポートしている