医療法人 寿山会 喜馬病院

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地域支援プロジェクトが稼働
ワンストップの医療に向けて
医療・介護の質を強化
今年1月から地域支援プロジェクトを稼働させ、地域貢献を目指す喜馬病院。地域との信頼関係を築くために、医療と介護など多角的に事業を展開をするなか、現在の取組みと今後の展望について、喜馬理事長にお話をうかがった。
医療法人 寿山会 喜馬病院
喜馬 通博 理事長
多角的な取組み
地域支援プロジェクトが
今年1月にスタート
喜馬病院は東大阪市の急性期医療の一翼を担い、多くの診療科を備えた地域コミュニティ病院として地域に貢献。『介護老人保健施設 ヴァンベール』や『認知症対応型共同生活介護グループホーム 緑の風』、『介護付き有料老人ホーム 緑風館』、『サービス付き高齢者向け住宅 リハヴィレッジ若江岩田』などを併設し、認知症予防やリハビリテーション、在宅医療など多角的な医療・介護を提供している。「当院は1953年の創業以来、長年に亘って地域の患者様との信頼関係を築き上げてきました。皆様の期待に応えるために、私たちが目指すのは“ワンストップ”の医療提供。医療・介護・在宅などあらゆる角度からサポートできる体制を整え、総合相談窓口のような何でも相談できる場所でありたいと考えています」。日々、病院をアップデートしながら基幹病院や地域の診療所と連携を取り合い、患者を包括的にサポートしている同院。今年1月からは病院隣接の希来里ビル2階で、地域住民の身体的・精神的健康を支える地域支援プロジェクト(笑活)を稼働し始めた。「地域包括ケアシステムでは、様々な生活課題を解決するために『自助(個人)・互助(近隣)・共助(保健)・公助(福祉)』の連携が欠かせません。しかし、近年は少子高齢化によって介護費や医療費が財政を圧迫。共助・公助のサポートが減るなか、地域支援プロジェクトは、まさに互助の部分。地域住民が集う地域コミュニティを作り、『動く・学ぶ・遊ぶ』をコンセプトに各種イベントを開催しています。岩田町周辺では高齢世帯が増え、多くが単身というデータもあります。長年当院を支えてくださった地域の方々へ、社会的なつながりと心身の健康を届けていきたいです」。社会貢献事業として一歩踏み込んで地域に寄り添う。それが喜馬病院の恩返しの形である。
国内最大級の磁場強度の超伝導MRI装置を導入。より細かい箇所まで観察ができ、検査時間の短縮が可能に
地域支援プロジェクトでは様々なイベントを開催。併設のデンタルクリニックでは歯科検診も受けられる
地域支援プロジェクトをリードするメンバーたち
ワンストップの医療へ
医療と介護の質を高め
互いをシームレスに連携
創業以来、地道に築いてきた地域住民との信頼関係。信頼づくりは医療と介護の質がカギを握ると喜馬理事長は唱える。医療の質で特徴となるのが2007年に開設した内視鏡外科センターである。「日本内視鏡外科学会技術認定医による低侵襲の腹腔鏡手術を得意とし、手術症例数は年々増加。現在で4000件近くに上ります。今後は手術の精度をより高め、安全性を追求すべく、4K技術を搭載した最新のシステムの導入も検討しています」。とは言え、まずは早期発見が健康への最短距離。診断の質を上げるために、今年1月に新型のMRI診断装置を更新し、より精密な検査と検査時間の短縮が可能となった。人材においては、高齢化で増加傾向にある骨折や肺炎等に対応するために内科医と整形外科医を増員。介護士も大幅に増員し、介護分野にも電子カルテを導入し、医療と介護をシームレスに連携させている。「グループ内の病院や施設を利用される方々の医療・介護情報は電子カルテシステムで集約し、迅速に情報共有をしています。また、近隣医療機関とも患者情報共有システム「ID-Link(アイディーリンク)」を活用して、病病・病診連携を図り、柔軟な地域医療の実現を目指しています」とシステムの効率化を語る。
「地域の信頼を守り、期待に応え続けるのが当院の使命である」と語る喜馬理事長。医療関係者や一般の方を対象とした講演会など多方面で活躍している