在宅療養支援診療所 医療法人 松樹会 松本クリニック

オーダーメイドで質の高い
在宅医療の提供を目指して
在宅医療を含む地域包括支援のあり方が問われている日本。
中河内地域でその実現に取組む松本伸治院長に話をうかがった。
在宅での療養に悩む
地域の人々をクリニックが支援
2014年の開院以来、在宅医療中心のクリニックとして地域での存在感を高め続けている松本クリニック。松本院長が同院を立ち上げるきっかけとなったのが、難病にかかり自宅での介護・療養が必要になった父親の存在だ。「総合病院に勤めていた頃から、退院後に自宅療養となる患者さんのその後が気にかかっていました。さらに父の介護を経験したことで、『家族がいても自宅療養は難しい。医療や看護の専門家の支援が必要だ』と実感。在宅医療のニーズに応えられるクリニックをつくることを決意しました」。そしてオープンしたのが、外来診療だけでなく、患者の自宅や入居施設へ赴く在宅診療を手がける同院なのだ。しかし院長が取組んできたのは、単なる在宅診療だけではない。その先に見据えているのは、地域全体で在宅療養を支える仕組みづくり。それが形となったのが、同院内に設けられた『訪問看護ステーション』と『地域連携室』だ。この2つの存在があることで、同院では在宅診療の単独提供に終わらず、訪問看護・リハビリのサービスや他の病院・福祉事業所・施設との連携が可能に。さらには在宅医療だけに終わらない地域の医療・福祉サービスの活用法や、その先の介護や終末期の迎え方まで相談できる環境を院内に整えているのだ。がんや難病患者でも、自宅で心穏やかに、また本人、家族が希望すれば看取りまでの終末期を迎えられる方法を、オーダーメイドで提案する同院。自宅での暮らしを大切にしたいご家族に嬉しいクリニックだ。
同院を支えるスタッフたち。緊急対応も行う在宅診療を中心に、内科や整形外科・リハビリ・生活習慣病など幅広い外来診療にも対応する頼もしいメンバー
『在宅診療』『訪問看護ステーション』
『地域連携室』の連携が同院の特色!
こだわりポイント 1
365日・24時間体制の『在宅診療』
同院では午前中を外来診療、午後を在宅診療に当てている。在宅診療では院長自らが車で患者の自宅や入居する施設を訪問。その数は月180件前後。多い日で1日15人ほどの患者を診察するという。「在宅診療には私たち看護師が1名同行。点滴や注射などの診療補助から、患者さんへ医療的な処置の補助業務、在宅での看取りまで行なっています」とクリニックの看護師長である大井愛美さん。緩和ケアにも精通する松本院長の指揮のもと、質の高い在宅診療を実現している。
私たち看護師も同行します!
こだわりポイント 2
がん患者の緩和ケアに強い『訪問看護』
同院の特色のひとつが、クリニック内に「松くり訪問看護ステーション」を併設していること。同訪問看護ステーションを取りまとめているのは看護師の岩下由美子さん。「当事業所の特徴は、看護師7名、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)4名という充実した体制と、松本クリニックと緊密に連携した、がん患者の緩和ケアの事例が多いことです」。訪問看護とともに、PT・OTによるリハビリや苦痛を和らげるリラクゼーション手技にも取組んでいる同事業所。単独でも利用できるので気軽に相談を。
訪問看護訪問リハビリに対応!
こだわりポイント 3
『地域連携室』で在宅療養や介護を相談
「在宅医療って何ができるの?」「退院後の通院が不安」「施設ではなく自宅で最期を迎えたい」「医療や介護のこと、どこに相談したらいいかわからない」という不安や悩みに応えてくれるのが、松本クリニックの『地域連携室』。同施設を率いるのはソーシャルワーカーの松田直子さん。「地域連携室とは、病院や施設、訪問診療・看護・リハビリ・介護をつなぎ、利用者とそのご家族を地域で支えていくためのオーダーメイドチームをつくる場所。難しいことはさておき、まずはお気軽にご相談ください!」。
相談先に迷ったらご利用を!
ここもチェック!
毎朝のカンファレンスで、『在宅診療』『訪問看護ステーション』『地域連携室』が情報共有!


上/訪問診療に取組む同院では、併設の『訪問看護ステーション』『地域連携室』と連携。毎朝のカンファレンスでは利用者の情報をスタッフ同士で共有。 下/取材日に偶然行われていた松本院長への誕生日サプライズ。院長への信頼がスタッフ連携の鍵

先生のことば
自宅療養、看取りの実現を、
地域ぐるみでサポートします
「自宅で穏やかに過ごしたい、看取りを家でしたくても、どうすればいいかわからない」というご家族を支えたいというのが私たちの願い。国が進める地域包括支援を、地域住民が利用しやすいクリニックから実現したいと考えています