医療法人桜希会 東朋八尾病院

内視鏡の痛みや恐怖心に配慮し
継続的に受けてもらうことで
がんの早期発見につなげる

ピロリ菌が胃がんの要因
感染者は1年に1回の検査

 内科系疾患全般の診療に携わる一方、中でも胃と大腸の内視鏡検査を得意とされている橋本先生。内視鏡検査はポピュラーになったが、その意義について改めて訴える。「以前はバリウムがメジャーでしたが、影を捉える検査のため粘液の影響などで像がはっきり映らず、早期の胃がんや大腸がんを見逃してしまうこともあります。内視鏡は直接目視できるので、正確性において優れていると言えるでしょう」。一目瞭然のポリープだけでなく、消化管の内壁の色味やシワの寄り方も加味して病変を見つけ出せるのが内視鏡検査の強みだ。受ける頻度について、胃に関しては「ピロリ菌の感染のあるなしで変わってきます。ピロリ菌により萎縮性胃炎が引き起こされ、これががんになると言われているため、感染が確認された方は年に1回の検査をお勧めしています。ピロリ菌を除菌しても萎縮性胃炎は残るので、引き続き年1回の検査が望ましいでしょう」とのこと。衛生環境の改善により若い世代のピロリ菌感染は少ないが、100%胃がんにならないわけではないので定期的に検査は受けた方が良い。

トイレが隣にある待合室。下剤は自宅で飲んでくることも、ここで飲むことも可能。高齢で不安のある方は、前日や前々日から入院し病棟で前処理を管理してもらうこともできる 

検査後に簡単な説明を受け、後日外来で詳しい結果を教えてもらえる

検査後はこちらの部屋で安静に

ポリープのある方は要注意
大腸も1年に1回の検査を

 大腸の検査については「がんの組織の表面は脆く、便と擦れるだけで出血しやすくなっています。そのためまず便の潜血検査をするのですが、痔を持っている方は痔による出血と思い込んでいることがあります。大腸がんによる出血の可能性もあるので、痔の方も積極的に検査を受けてください。現代人は肉類の摂取が多く野菜を摂らない食生活になり、それが大腸がんの一因と言われています。40歳を過ぎたら、便の潜血検査が陽性でなくても内視鏡検査を受けた方がいいかもしれませんね」と話す。また内視鏡検査でポリープが見つかった方も要注意だ。「がんになる可能性のある腺腫性ポリープは、健康な方でも割とよく見つかるもので、一度切除してもほかの箇所にできることが多いです。またシワに隠れていたり、蠕動のために見つけられないこともあり、一度の検査で隈なく見ることが難しいという点もあります。1つポリープが見つかった方は、ほかにもあると考えた方がいいでしょう。そのためこちらも1年に1度は検査することをお勧めします」。また遺伝的にポリープができやすい方もいるとのこと。ご家族に大腸がんになった方やポリープが見つかった方がいる場合は、もしまだポリープがなくても要注意だ。「大腸がんは早めに見つけられれば生存率の高い病気です。粘膜内に止まっているなら内視鏡で、筋層に浸潤しても腹腔鏡で切除でき、通常なら2週間もかからず退院できる程度で大きな手術にはなりません」。なお、大きさが大きくないポリープであれば、東朋八尾病院で切除可能だが、大きいポリープや、大腸がんが疑われる場合は他院の紹介となる。

継続して受けてもらうために
苦痛のない検査を目指す

東朋八尾病院では経鼻内視鏡を備え、鎮静剤と併用することも可能。「ウトウトした状態で楽に検査を受けていただけます。患者さんにとって内視鏡検査は、えずいたり苦痛を感じることがネック。それで検査を避けてしまう方もいらっしゃるので、継続的に受けていただくためにもその辺りには注意をしています」。橋本先生は内視鏡の専門医であり、年間約1000件もの検査を行うエキスパート。熟達した技術と患者の様子を逐一確認する配慮で、検査に対する恐怖心を和らげてくれる。また大腸検査の場合は下剤を苦痛に感じる方もいるだろう。「従来の下剤は2ℓも飲まないといけませんが、飲む量が少ない下剤も用意しています。こちらは飲む手順が複雑なので、当院で看護師の指導に従って飲んでいただくことになります」。こうした点にも配慮が行き届いている。
 大腸検査でポリープが見つかった場合はその場で切除できるが、そのまま1泊入院する必要があるため、事前に承諾を求められる。胃にピロリ菌が見つかった場合は、1週間ほど薬を飲んで除菌する。「9割以上の方がこれで除菌できます。胃がん予防に非常に効果的なので、まずは内視鏡検査でピロリ菌の有無を確認してください」。日本人の死因として、胃がんも大腸がんも未だ多い。どちらも早期に見つけて治療すれば生存率が高い病気なので、まずは積極的に内視鏡検査を受け、早期発見に努めていただきたい。

ココもチェック

従来よりも細く、柔らかい
大腸カメラを使用し
苦痛のない検査に努めています

通常の大腸カメラの直径は12〜13mmほどありますが、橋本先生が使用するカメラは10mmを下回る細いもの。またチューブが柔らかい素材のため、腸の内壁に沿って曲がりやすく、痛みを感じにくくなっています。こうした機器を使用することで、負担や苦痛の少ない検査を提供できるよう努めています

教えて!先生

胃カメラと大腸カメラ、検査時間はそれぞれどれぐらいかかりますか?

胃カメラは通常なら10分ほど。早い方なら5分程度で終わることもあります。ただし病理組織検査のため胃の組織を採取する場合は、プラス5分〜10分ほどかかります。大腸カメラは人により大きく差があります。早い方なら10分ほどですが、腸が長かったり、通常と形が違うなどで、挿入が困難な方もおられます。そういった方の場合は、30分ほどかかることもあります

橋本尚久 先生

【プロフィール】
水瓶座/兵庫医科大学卒/日本内科学会総合内科専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医
【趣味】
音楽を聴くこと。とくにジャズやクラシックが多いです。ジャズはライブでお客さんの反応を見ながらスタイルを変えてセッションするので、聴いていて楽しいですね
【座右の銘】
継続は力なり。内視鏡に携わった最初の頃は、うまく入らず一朝一夕にはいきませんでしたが、3歩進んで2歩下がるぐらいの気持ちで、諦めず継続することが大切だと経験から学びました

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TEL:072-924-0281
八尾市北本町2-10-54


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