関西医科大学香里病院

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大学病院と市民病院
二つの役割を強化して
超高齢社会に挑む

北河内医療圏で市民病院的な役割を果たし、地域に親しまれてきた関西医科大学香里病院。近年、同院が推し進めてきた二次救急や総合医療の取組みにはある理由があるという。岡崎病院長に取材して、その真意をうかがった。

超高齢社会への対応

病院の敷居は低く
間口は広く 

関西医科大学香里病院の役割の一つに、岡崎病院長が就任以来掲げてきた『日本一敷居の低い大学病院』がある。同院は先進的な医療を提供する大学病院の役割と、寝屋川市における市民病院的な役割を両立させてきた。「当院は大学病院ですが、受診に紹介状は要りませんし、全国的に珍しく夕診にも対応しています。アクセスも良くて、香里園駅からはデッキ直結で徒歩約1分。快速急行も停車するので、働く人にもやさしい病院なんです」と笑顔を見せた岡崎病院長は、続けて「敷居は十分低くなりました。次に重要なのは、裾野を広げることでしょう」と語った。裾野を広げる。つまり、病院の間口を広げるために同院が近年取組み始めたのが、「二次救急の受け入れ」と「総合診療科の強化」だ。
元々人口が多く、高齢者の割合が大阪府の平均より高い北河内医療圏。団塊の世代が後期高齢者となる2025年を目前に控え、救急の需要が高まることは火を見るより明らかだ。そのニーズを見据えて、同院は昨年1月より試験的に月水金に限っていた二次救急の受け入れを7月から平日すべてに拡大した。また、複数の疾患が併存している可能性が高い高齢者に対して、特定の疾患ではなく身体全体を診る『全人的医療』を提供するために内科・総合診療科を設置。同科では昨年8月に高血圧や循環器の専門である岩嶋先生が内科部長に就任し、対応できる幅が広がっている。
「そもそも、二次救急指定の取得も、総合診療科の設置も、目的は教育にあります。全人的医療を行える医師が増えることが超高齢社会で地域医療を支える要となるでしょう」。岡崎病院長は喫緊の課題だけでなく、そう遠くない未来の医療ニーズまで見据えている。

1.14診療科で女性の診療部長・医長が6名。全勤務医の1/3にあたる25名が女性医師
2.大学病院として全国的に珍しい夕診の実施など、働く人にやさしい病院を目指す
3.内科・総合診療科では、全人的医療を提供できる医師の育成のため、研修医の指導にも注力している

高度な医療の提供

診療科を横断する連携
センター化にも注力

 総合医療の強化と教育を進める同院にはもう一つの大切な役割がある。それは、大学病院として高度な専門医療を提供することだ。加齢に伴って女性ホルモンの分泌が低下すると、骨粗鬆症と乳がんの発症リスクが高くなる。そのため、2021年に整形外科・放射線科・リハビリテーション科などの多診療科が連携する骨粗鬆症センター、乳腺外科と形成外科が連携する乳腺センターを開設した。その際に最新鋭のマンモグラフィを導入。今年5月にはCT検査装置を刷新するという。「これからも総合医療と高度医療の両輪で地域に貢献していきます。当院で対応しきれない疾患も、グループ内の関西医大附属病院などと連携を強固にしているのでご安心ください」。
 気になる新型コロナウイルス感染症については「スタッフや外来患者さんの検温や消毒など基本的な対策の徹底や発熱がある方とのゾーニングによって、感染者が急増した第7波においても大きな院内感染は起きませんでした。現在、発熱外来は予約制なので、専用の電話回線から予約をお願いします」と岡崎病院長。万が一、陽性で入院が必要な場合でも、滝井にある総合医療センターと連携しているので安心だ。

京阪本線「香里園駅」から徒歩約1分の関西医科大学香里病院。駅からはデッキで直結なので、雨の日も濡れずにアクセスできる

寝屋川市との取組み

ふるさと納税の返礼品に「乳がん検診」を提供

 地域医療連携部が発案して、寝屋川市と調整を進めてきた新たな取組みとして、今年の春からふるさと納税の返礼品に乳腺センターの「乳がん検診」が追加される予定だという。「以前から当院の乳腺外科の先生がピンクリボンデーに合わせて乳がん検診を提供してきました。コロナ禍による検診控えでがんの発見が遅れている背景もあり、より多くの方に検診をしていただく機会を増やすことが目的です。早期発見はもちろん、乳がんは10年以上経ってからの再発も珍しくないので、定期的な検診をお願いします」。枚方市や門真市などにお住まいの女性は要チェックだ。

hospital data

関西医科大学香里病院
TEL:072-832-5321
寝屋川市香里本通町8-45


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