関西医科大学くずは病院

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健康寿命延伸のため
整形外科の強化を始め
幅広い取組みを行う

急性期治療を終えた方に対する回復期医療を提供する病院として、発展を続けている関西医科大学くずは病院。地域住民の健康寿命延伸のため辣腕をふるっている髙山病院長に、現在の取組みについてうかがった。

くずは病院の役割

回復期医療を充実させ
健康寿命延伸を目指す

医療は日々発展を続け、日本の平均寿命は右肩上がりに伸び続けている。しかし平均寿命だけが伸びても、健康に暮らせる時間が短ければ、不自由を抱えた本人が苦労するだけでなく、様々な問題が発生する。高齢化がますます進む日本では、健康寿命を伸ばすことが非常に重要だ。「当院は関西医科大学グループの中で、回復期医療を提供する役割を担うと同時に、北河内地域にお住まいの皆様の健康寿命を少しでも長くすることに力を入れています。健康寿命を伸ばすためには適度に運動をしていただく必要がありますが、年を重ねてくると運動器に支障が出て、運動することが難しくなるケースも多いです。そのため当院は特に整形外科領域を強化しています。当院には整形外科の専門医が複数揃っており、主にご高齢の方の機能回復のため月に60件程度手術を実施。現在は手術室が1室ですが今年中に2室に増やして、より多くの方に手術を受けていただけるようにする予定です。そして当院の主な役割は回復期医療の提供ですので、手術を受けた方が早期に社会復帰できるよう、リハビリテーションを幅広く実施。専門医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がそれぞれの専門性を活かし、チームで診療を行っています。リハビリについては、運動器疾患だけでなく、脳血管疾患に起因する症状の改善にも対応可能です。なお、ご高齢の方がリハビリを行う場合、もとから心臓に持病がある場合はもちろん、運動を行ううちに心臓に問題が発生することがあります。そのため、心臓リハビリテーションに必要な設備も少しずつ導入をはじめています」と、髙山病院長は病院の現状を語ってくれた。

1.エルゴメーターを用いた心臓リハビリテーションの様子
2.充実した運動療法が受けられる『関医トレーニングスタジオ』
3.人間ドックやメディカル・フィットネスを提供する『くずは駅中健康・健診センター』

予防に対する取組み

自由診療の活用で
自らの健康を守る

健康寿命を損なう原因は整形外科疾患だけではない。様々な内科的疾患も健康寿命に大きく影響する。「糖尿病や循環器疾患を抱える方にとっても運動することは重要ですが、新型コロナによって外出する機会が減少し、満足に運動できなく症状が悪化するケースが発生しています。現在の保険制度では、そうした方のサポートを十分に行えない側面があるのですが、地域の方に少しでも健康になっていただけるよう、当院4階に『関医トレーニングスタジオ』を開設しました。利用には月額8000円の費用がかかりますが、施設にあるトレーニング設備をご利用いただけるだけでなく、当方にて運動計画の作成を行い栄養指導も実施。理学療法士による運動内容の助言も受けていただけます。また、昨年11月には関西医科大学の新たな施設として『くずは駅中健康・健診センター』が開設しました。当院とも様々な形で連携しており、病気の早期発見に役立てていただけると期待しています」と髙山病院長。これからの社会では、自ら健康に対する意識を高め、こうした設備を積極的に利用していくことを視野にいれるべきだろう。

MRによる認知機能トレーニング:ゴーグルを通した視界の中に現れる数字の消去や、仮想的3次元迷路に設置された目標物を探すなど、ゲーム感覚のトレーニングができる

認知症への対処

MRを活用した認知機能
トレーニングの導入

健康に長く暮らすためには、認知症の予防も重要である。関西医科大学リハビリ学部では、現実空間とコンピューターグラフィックスを融合するMR(Mixed Reality:複合現実)を用いた認知機能トレーニングの研究を進めており、くずは病院でも導入予定です。「ゲーム感覚のトレーニングがMRの利点と考えています。紙面とは違う3次元的な認知課題や、身体運動と認知課題の組合せが可能であり、軽度認知障害や脳卒中後の高次脳機能障害に一定の効果があることが分かっています。このトレーニングが認知症予防に役立つことを期待しています」。

hospital data

関西医科大学くずは病院
TEL:072-809-0005
大阪府枚方市楠葉花園町4-1


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