社会医療法人 美杉会 男山病院

社会問題を医療や介護の視点で捉え、高齢者医療や子育て世代の支援など、幅広い取組みを展開する男山病院。地域住民の健康を支える中核病院としての近年の取組みについてお話をうかがった。

地域の未来を守るために

高齢者や子育て世代
地域の医療ニーズに貢献

全国的な社会問題である高齢化や人口減少。それは八幡市においても例外ではなく、対応が急務となっている。同院では高齢化への対応として、多職種がチームとなり骨粗鬆症の予防や治療、啓発活動に取組む「OLS(骨粗鬆症リエゾンサービス)」を立ち上げた。京都府の骨粗鬆症検診率はここ数年、全国ワースト3となっており、住民の疾患や治療に対する認知不足がうかがえる。「2020年4月にOLSを立ち上げて以来、骨粗鬆症マネージャーの取得者は年に4~5人程度増えているほか、日本病院学会や日本骨粗鬆症学会で当院のOLS活動を発表するなど、院外での活動の幅も広げています」と話す荒木院長。こういった取組みの成果もあり、同院の検診率や治療の継続率は増加傾向にあるほか、OLS活動に関する問い合わせが全国から届くようになったという。地域の子育て世代を支える取組みとしては、病気や回復期にあるため保育園などに通えない子供の世話を行う病児保育を導入。「仕事中に安心して子供を預けられる場所があるのは助かる」など、利用者から多くの感謝の声が寄せられている。また2021年には、女性医師が担当するブレストセンター(乳がんセンター)を開設。ピンクリボン活動の一環として年に一度、日曜日に乳がん検診を行うなど、働く女性が受診しやすい環境づくりにも尽力している。このように医療や介護の視点から八幡市の社会課題を捉える同院は、国内最年少の女性市長となった川田氏の下へ2024年8月に訪問。地域の中核病院としての役割を果たし、行政とも連携しながら地域の未来を共に支えていく構えだ。

病児保育の対象年齢は生後6カ月~小学校6年生まで

乳腺外科は日本乳癌学会専門医の松方先生が担当。前院では年間約200件以上の乳がん手術を手掛けた経験がある

八幡市市長との面会

断らない救急医療

八幡市の約1/3の
救急搬送を受け入れ

同院が開院当初より注力しているのが救急医療だ。現在は八幡市全体の約30~40%の救急搬送の受け入れを実現している。「地域に根ざした二次救急医療機関として機能する当院は、"できる限り断らない救急〟を目指しています。救急は24時間365日体制で対応しているほか、小児科においては金曜の午後6時から翌朝8時まで当直医を配置。お子様の急変にも、充実の医療体制で対応させていただきます」。状況に応じて24時間365日体制で小児科の当直医を配置する近隣の京都田辺中央病院のサポートに入るなど、周辺の医療機関と連携を取りながら地域の救急医療に広く貢献している。ほかにも年に一度、異なる医療トピックで市民公開講座を開き、地域住民への啓発活動にも尽力。2024年度は同院の耳鼻咽喉科の医師と、同じく美杉会グループ佐藤病院の呼吸器外科の医師が登壇し、「めまい」や「肺がん」について説明を行った。現地に足を運べなかった人に向けてはYouTube配信を行い、後日スマートフォンやパソコンから見ることができるようにするなど、時代に合わせて発信方法を変え、地域住民の健康意識向上に取組んでいる。

医師や看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなどがチームになって結成される「OLS(骨粗鬆症リエゾンサービス)」

患者・職員・地域とともに

患者や職員に寄り添い
地域とともに歩み続ける

美杉会グループの各施設と連携しながら、救急医療をはじめ、急性期の初期段階から回復期リハビリや緩和ケア、在宅医療、介護分野まで一貫した医療・介護サービスを提供する同院。周辺の医療機関との交流の場としては近年、京都私立病院協会が主催する各種スポーツ大会に参加している。バスケットボールやゴルフ、野球などの種目があり、スポーツを通じて職員の健康増進やコミュニケーションの活性化に努めている。切れ目のない支援を実現する同院は、患者、職員、そして地域とともに歩み、次世代へとつなぐ医療提供を目指していく。

hospital data

社会医療法人 美杉会 男山病院
TEL:075-983-0001
八幡市男山泉19


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