【対談】吉田病院 吉田 直正理事長 × 田代 孝一郎先生

【対談】吉田病院 吉田 直正理事長 × 田代 孝一郎先生

医師加入で実現

尿管結石の新治療

新たな医師の加入に伴い、尿管結石の新しい治療を開始。新治療だけでなく医師増加により診療科の機能もアップした吉田病院の泌尿器科について、吉田理事長と田代先生にお話をうかがった。

軟性・極細の尿管鏡を使い 低侵襲で負担の少ない結石治療

結石の新しい治療が登場
吉田:
2018年4月より、同じ大学の同門で私の後輩にあたる田代先生に来ていただきました。以前の病院では泌尿器科の部長も務めておられたベテランの医師。また私が以前勤めていた病院で同時期に働いていたこともあり医療人として切磋琢磨した仲で、こうしてまた共に働くという長年の念願が叶いました。当院では尿管結石の治療として体外衝撃波結石破砕(ESWL)と、尿道から内視鏡を入れて膀胱内、さらに尿管内まで進め、結石を破砕する経尿道的尿管結石砕石術(TUL)を行っていました。そこへ田代先生に来ていただいたことにより、レーザーでの経尿道的腎尿管結石砕石術(f-TUL)も選択できるようになり、腎結石による内視鏡で治療できるようになりました。経験豊富な医師に来ていただいたおかげで、当院の泌尿器科の機能もアップします。
腎臓まで届く軟性尿管鏡
田代:
TULは硬性鏡という硬い尿管鏡を使用するため、腎臓の中までは届きません。またESWLは非侵襲で患者さまにとって受けやすい治療ですが、結石の位置や硬さによって効果にばらつきがあるほか、砕いた石を採取できず自然に流れ出るのを待つしかありません。場合によっては複数回の治療が必要なケースもあります。一方f-TULの尿管鏡はソフトタイプ。細さも3㎜ほどです。ちなみに胃カメラは10㎜。より負担が少ないと言われる経鼻内視鏡でも5㎜で、それと比較して極細です。この細さと柔らかさのおかげで腎臓の中まで尿管鏡を挿入することができます。また砕いた結石はバスケットカテーテルで回収。尿管から腎臓までどの位置に結石があっても直接目で見て砕き、回収して取り除くことができるのが特長です。前の病院では私がf-TULによる治療を立ち上げ、軌道に乗るまでに育て上げました。その経験に伴い培ってきた技術もあります。

「独居や核家族化のためご家族の介助が期待できない患者さまも多くいます。そうしたバックグランドにも配慮した診療を心がけています」と話す吉田理事長

田代先生のモットーは「患者さまは意を決して病院に来られます。泌尿器科は特にそう。だから悩みを丁寧に聞いて、寄り添う形で解決したい」とのこと

高齢者にとって怖い結石
吉田:
尿管結石の生涯罹患率は男性が7人に1人、女性は12人に1人。年齢に関係なくかかります。直接命には関わりはありませんが、のたうちまわるほどの痛みがあるという点で、生活の質に大きく影響します。
田代:
結石が腎臓に詰まると圧がかかって、腎臓を傷めるという報告もあります。慢性腎臓病の増加の問題もあるので、早期に治療することが大切ですね。
吉田:
寝たきりの高齢者に尿管結石が増えているという話もあります。骨から血中にカルシウムが流れ出し、尿のカルシウム濃度が増加して結石になるようです。しかし寝たきりの方は痛みを訴えることができないうえ、介護施設や特別養護老人ホームなどの施設では採血して検査ができないので、病院に来た時には腎臓に膿が溜まる腎膿症という命に関わる状態になっていることがあります。
田代:
腎膿症から敗血症になる可能性もあるので、尿管結石も決して油断できない疾患です。
前立腺がん検査等にも尽力
田代:
2020年以降には男性がんの中で罹患率が1位になると予測されている前立腺がんは、予後が良く治療が早ければ治るがん。以前勤めていた病院では前立腺がんのPSA検査受診キャンペーンを盛んにしていたので、当院でも啓蒙活動を行い早期発見につなげたいです。
吉田:
前立腺肥大症に対する光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)も積極的に行っています。PVPは血液の抗凝固剤を服用していても適用でき、入院期間は従来の半分以下。この4年で200例以上の手術を行い、経過も非常に順調です。田代先生と共にさらに切磋琢磨し、地域の皆様に治療を提供していきたいですね。

直径が細く、柔らかくなった内視鏡によるf-TUL。低侵襲で安全性が高く、副作用や後遺症の心配はほとんどない

従来の電気メスを用いた手術に比べ出血や合併症のリスクを抑えられるPVP。尿の出が悪い等お悩みの方はご相談を

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医療法人 毅峰会 吉田病院
TEL:072-833-1831
枚方市北中振3-8-14