独立行政法人 地域医療機能推進機構 星ヶ丘医療センター
充実した患者支援窓口
病院にかかる時、全く不安を感じない方は少数だろう。星ヶ丘医療センターでは不安を持つ患者さんへの支援に力を入れており、相談窓口を充実させている。細野院長と医療相談室の看護師に詳細をうかがった。
患者相談窓口の利用を促進し
患者さんの不安や疑問を解消
患者さんの不安に寄り添う
「病気についてもっと詳しく知りたいけれど、先生には聞きづらい」「治療費のことが不安」など、病院にかかる際には様々な悩みが発生しがちだが、相談できずに困る方が少なくない。同院では看護師や医療ソーシャルワーカーなどが対応を行う患者支援窓口を設置しており、診察中に聞けなかった事や、福祉に関する事など幅広い相談が可能。患者さんの満足度向上に努めている。
細野院長と患者支援窓口の看護師。医療メディエーターは、患者さんにわかりやすいように看護師とは異なる制服を着用している(右から2人目)
患者支援窓口の職務内容
同院の患者支援窓口は相談内容によって複数に分かれている。その詳細を細野先生にうかがった。「入院中の治療費や高額療養費についての相談を受ける『医事課』、入退院時の調整を行う『入院・退院支援室』、介護保険などの相談に対応する『福祉相談室』を設置していますが、総合的な受け皿として『医療相談室』を設けていますので、誰に相談すればよいかわからない場合は訪ねていただけるとスムーズな対応が可能です。医療相談室には『がん相談支援センター』と『脳卒中相談窓口』も併設しており、専門的な相談が可能です。医療相談室の詳細については、現場の看護師からお伝えします」。
医療相談室には患者さんと医療者の仲介を果たす医療メディエーターの児玉看護師長が専従している。児玉師長は職務について真摯な表情でこう語った。「医療相談室の仕事は幅広いですが、どの診療科で診察を受ければ良いかや、福祉相談などのご相談を受けることが多いです。しかしまだ医療相談室の認知度が低く、相談されるのを待つだけでなく、処置中の患者さんやご家族の方に困っていることがないかのお声がけをするようにし、相談室の利用促進を図っています。相談以外でも病院全体のサービスを向上させるためご意見箱を設置し、寄せられた意見を定期的に検討して、随時改善を行っています」。
窓口設置の意義
地域医療機能推進機構の一員として、いち早く患者支援に力を入れはじめた同院。細野院長はその意義についてこう述べた。「診察の時間は可能な限り確保しておりますが、診察の中だけで患者さんの不安を全て解消しようとするのは難しく、それを行うと待ち時間の増大にもつながってしまいます。専門的な知識を持った医療スタッフが対応する窓口があれば、患者さんにとってはあまり待つことなく気軽に相談ができ、医療者にとってはタスクシェアができるので、全員にとって良いことなのではないかと考えています。相談支援窓口をぜひご活用ください」。