市立ひらかた病院

センター化を推進し専門的な医療を展開。枚方を安心して住める街へ

約4年に渡るコロナ禍を最前線で戦い抜いた市立ひらかた病院。ポストコロナ時代で求められる医療のあり方、あるべき地域医療の形について、次代を見据える林病院長にお話をうかがった。

ポストコロナの医療

コロナの教訓を活かし連携し合う地域医療へ

2023年5月8日、2類相当(新型インフルエンザ等感染症)から5類感染症へと移行した新型コロナウイルス感染症。市立ひらかた病院では林病院長の指揮の下、第一波からチーム医療を実践してきた。「今回の新型コロナウイルス感染症に対して、現場の医療スタッフが一丸となって立ち向かってまいりました。コロナ患者数は減少傾向にある一方、今後いつ新興・再興感染症の脅威が襲いかかるかも分かりません。北河内医療圏で唯一の感染症指定医療機関である同院では、新型コロナへの対応で得た教訓を生かし、次の新興・再興感染症への備えを引き続き進めています」。災禍があぶり出した医療課題もあれば、感染症対策やワクチン技術など飛躍的に発展したこともあり、人間の適応力は侮れない。苦境を体験した後に復元する力、いわゆる「レジリエンス」を高めることが持続可能な医療のカギを握ると林病院長は説く。「ポストコロナ時代に求められるのは、弾力的で復元力を持つレジリエンスのある地域医療です。同院は7市から構成される北河内二次医療圏で唯一の公立の総合病院であり、最新の医療機器・設備を整えた病院として、地域医療の中核を担っています。しかしながら、単独では地域120万人の命を守ることはできません。いかなる状況下でも地域医療が有効に機能するため、急性期病院である当院とほかの医療機関や保健・福祉関係者と連携を深め、機能分化を推進していくことで地域完結型医療の構築を目指します」。市立ひらかた病院があるから、安心して枚方で暮らせる。地域住民の安心を最大の目標とする林病院長は、これからも地域医療の未来図を描いていく。

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新設した糖尿病センターではセンター長の柴崎早枝子医師をはじめ、働き盛りの活気あふれるスタッフが活躍中
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血糖値の変動を持続的にモニタリングできる最新IT機器を採用
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昨年8月にHCU(高度治療室)4床を開設

加速するセンター化

2024年1月に糖尿病センターを新設

24の診療科を設け、あらゆる疾患に常時対応できる体制を整える同院では近年、より専門的な医療提供を目指すためにセンター化を推進。2019年には消化器センター、2020年には下肢機能再建センター、昨年1月には音声外科センターを続々と開設した。「食べる・歩ける・話せることは生きる上で大切な機能であり、3つのセンターは高齢者が増加する未来にあるべき医療だと考えております。また、今後は高齢化に伴い65歳以上の糖尿病患者様の増加が予想されます。そこで糖尿病で様々な症状を発症して困っている患者様に向けて、高度な治療を行う糖尿病センターを2024年1月に新設しました」。同センターでは糖尿病・内分泌内科を中心に薬剤師や管理栄養士、検査技師、看護師といった職種間・診療科間の一層の連携強化のもとで総合的な糖尿病チーム医療を実践。糖尿病の病態のみならず、全身状態・合併症や併存疾患・生活環境・ADL(日常生活動作)・QOL(生活の質)を加味して、患者様一人ひとりへ最適な糖尿病治療を行うことで、北河内地域で “より良い糖尿病治療”を展開し、さらなる発展を目指していく。

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内視鏡手術支援ロボット『ダヴィンチXi』の導入により「傷口が小さい」「疼痛が少なく回復が早い」「機能の温存が向上」など今まで以上に質の高い医療を実現

断らない医療の実現

受け入れ体制の強化と安心の医療提供を目指す

2次救急指定医療機関として急性期に対応する同院は、365日24時間体制で入院・手術などが必要な中等症以上の患者様へ救急診療を行っている。特に小児救急について北河内医療圏における小児医療の拠点病院として大きな役割を果たす。「私たちがスローガンに掲げる『断らない医療』を実践するため、枚方寝屋川消防組合とは定期的な意見交換の開催など連携強化を図り、受け入れ体制の充実を図っています。安心と満足の得られる医療を提供し、患者様や地域との信頼関係を築きながら今後も地域医療へ貢献してまいります」。

hospital data

市立ひらかた病院
TEL:072-847-2821
枚方市禁野本町2-14-1


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