関西医科大学香里病院

充実の医療体制を築く地域に広く開かれた通いやすい大学病院

公立病院が少ない北河内医療圏において、市民が気軽に受診できるように敷居の低い病院づくりに邁進してきた関西医科大学香里病院。現状の体制や設備面の強化について、岡崎病院長にお話をうかがった。

地域密着の大学病院

可能な限り患者を受け入れ地域医療に貢献する

関西医科大学香里病院は若手医師の教育に力を入れつつ、地域密着型の病院を目指して様々な施策を行ってきた。紹介状のない初診の患者さんに発生する選定療養費を廃止し、大学病院としては珍しい夕方診療に対応。京阪電車の香里園駅からデッキ直結で徒歩約1分というアクセスの良さもあり、大学病院を受診するという心理的なハードルは極めて低くなっている。岡崎病院長に診療体制の詳細についてうかがった。「当院は“断らない病院”を目指しており、かかりつけの患者さんは原則お断りをしないよう努めています。CCUやICUの設備がないといった制約があるため100%の受け入れは難しいのですが、かかりつけ患者さんのお断りの件数は年間20例程度に抑えることができています。また、2022年から二次救急の受け入れを開始しており、現在では偶数週の金曜日を除く平日に受け入れを行っているのですが、年間800例余りまで件数が増加してきました。団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題が間近に迫り、医療のニーズはますます高くなりますが、努力を積み重ねて最大限貢献ができればと考えています」。
 地域に開かれた病院として発展を続ける同院は、災害対策にも余念がない。岡崎病院長は真摯な表情でこう述べた。「大きな災害が起こった場合、寝屋川市の水道の大半がストップすることが予想されており対策が必要でした。そこで当院は一昨年から病院の敷地内に井戸を掘りはじめ、昨年10月にバックアップ水源として使用できるようにいたしました。人工透析には水が重要となりますが、井戸水を活用できるようになったことで、災害が起きた際も変わらず透析を受けていただくことが可能です」。

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香里病院の敷地内にある、地下水の給水システム。災害時にも安定した人工透析が可能に
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昨年9月に着任した、日本神経学会神経内科専門医の隠岐助教
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新しく導入されたCT。従来よりも高解像度で検査ができる

医療体制の強化

医師の拡充を行い設備面でも強化を実施

地域密着型の病院としての機能を充実させる一方で、大学病院として高度な医療を提供することを使命とし、体制の強化が図られている。「当院では開院以来内科領域で唯一脳神経内科の医師が不在でしたが、昨年9月に隠岐光彬助教を招聘することができました。呼吸器内科医も長らく不在でしたが、現在は2名体制にまで拡充できており対応の幅が広がっています。また当院では診療科の垣根をこえて患者さんを診療するセンター化を推し進めており、例えばアレルギーセンターでは耳鼻咽喉科を中心として、皮膚科や呼吸器内科の医師が連携を取りながら、患者さんにとって最適な治療を多方面から検討できるように体制を整えています。さらに、本年4月を目標に外来化学療法センターを設置し、働く患者さんがより気軽に化学療法を受けられるように体制を強化する予定です」と、岡崎病院長。同院は人員の強化に力を入れつつ医療機器の更新も意欲的に行っており、昨年はCTとX線透視装置を更新したとのこと。これまでよりも高い解像度で検査ができるうえ検査時間も短くなったとのことで、患者さんのメリットは大きいようだ。

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アクセスの良さが魅力の関西医科大学香里病院。快速急行が停車する京阪本線「香里園駅」からデッキ直結で徒歩約1分の位置にあり、雨の日でも濡れずに受付まで行くことができる

医療連携の活性化

アフターコロナにおける地域医療連携

コロナ禍で地域医療連携は難しい局面を迎えたが、新型コロナが5類感染症となったことで元の状態に戻りつつある。岡崎病院長は朗らかな笑顔でこう語った。「地域の医療機関との連携はコロナ以前と同じように対面を中心に行うようになり、長らく中断されていた市民公開講座も復活しました。とはいえ、コロナウイルスがいなくなった訳ではなく、引き続き感染対策を徹底してウィズコロナ時代に対応することが重要です。コロナの影響で受診を控える患者さんが増えたと思いますが、病気を早期発見・早期治療するためにも、コロナ以前と同様に医療機関を受診いただければ幸いです」。

hospital data

関西医科大学香里病院
TEL:072-832-5321
寝屋川市香里本通町8-45


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