パナソニック健康保険組合 松下記念病院
救急医療とがん診療を主に幅広い医療ニーズに応え 健康な身体をつくる病院へ
総合病院として幅広い診療科を有し、古くから地域医療に貢献してきた松下記念病院。村田病院長に病院の特徴と、近年注力する地域交流の場づくりについて、お話をうかがった。
地域医療における役割
幅広い患者の健康を守り地域を支える総合病院
1940年にパナソニック株式会社の創業者である松下幸之助氏の発意により誕生した松下記念病院。1958年には総合病院として医療機能を拡充し、2020年に開院80周年を迎え、現在は地域住民が頼りにする急性期病院の一つとなっている。「中高齢者の急変や外傷は多くなっており、当院は地域医療支援病院として地域住民の命や健康を守るため積極的に救急対応を行っています」と話すのは、同院の指揮を執る村田病院長。幅広い診療科を有するだけでなく、専門性の高い知識を持つ医師やメディカルスタッフが数多く在籍し、一人ひとりに寄り添った医療を提供している。中高齢者に多い心臓疾患・腎疾患・消化器系疾患・生活習慣病などの内科診療や関節・脊椎などの整形外科領域の診療に対しても十分に体制を整え、地域医療への貢献を目指している。また、2009年より大阪府がん診療拠点病院の指定を受け、健診によるがんの予防・早期発見から、各診療科での診断・治療、さらには緩和医療まで一貫した体制を取っていることも大きな特徴の一つだ。「北河内地域では高齢化が進み、がん診療のニーズも年々増加しています。当院では2021年10月に『がん診療センター』を開設し、各診療科での診断・治療、緩和医療まで一貫したがんのトータルマネジメントを行っています。ハード面の特徴では、低侵襲のがん治療を可能にする手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入。導入当初から行っていた直腸がん・前立腺がん等に加えて、胃がん・膀胱がん・腎臓がんなど対応範囲も拡大し、手術件数も増えています。また、がんは早期発見がカギとなります。迅速な検査にも対応するため、MRI装置を2台に増設し、稼働しています」。
地域交流の場づくり
松下記念病院が目指す「健康をつくる病院」へ
「病院は病気をなおすだけではなく、健康をつくる場所でもあります。それが私たちの目指す病院のあるべき姿です」と語る村田病院長は、地域住民が自身の健康と病気について向き合う場づくりに近年注力している。同院ではコロナ前に年4回開催していた市民公開講座を、2023年は年37回に増加。がん・認知症・生活習慣病など様々なテーマを取上げるほか、体組成計による健康チェックやリハビリスタッフによる体操など体験型プログラムも参加者に好評だ。そのほか中学校へのがん教育も行い、地域の未来をつくる子どもたちにも興味を持ってほしいと願う。「患者様の健康づくりのために積極的にLINEやオープンホスピタルなどで情報発信をしています。さらに、病院と地域住民の関わりだけでなく、患者様同士の交流も必要と考え、当院では同じ経験を持つ患者様が悩みや相談を共有し合う患者会も盛んに行っています。病気を持ちながらも快適な暮らしができる情報を得られる場として活用いただいております。今後も地域や社会に喜んでいただける機会を創出し、守口市をはじめとする北河内医療圏の健康をお守りします」。
地域医療連携について
地域医療機関との連携を推進し、地域の医療ニーズに応える
北河内地域もほかエリアと同様に中高齢者が増加する中、生活習慣病の対応も今後の大きなテーマとなる。「残念ながら生活習慣病はすぐに治るという病気ではなく、長期的なアプローチで治していく必要があります。当院は急性期病院であり、普段診ていただいている地域のかかりつけ医と連携し、病状が悪化した際には紹介を、病状が落ち着けばかかりつけ医へ戻って治療継続していただいております」。今後も松下記念病院は地域の医療機関と連携しながら、地域に寄り添い、医療ニーズに応え続けることを使命に病院変革に取組んでいく。